経営・ビジネス
2023.11.01
ソラジマが創業から10億円を調達するまでの4年間の軌跡。
【拝啓、未来のソラジマの社員たちへ!】
はじめまして!株式会社ソラジマ(SORAJIMA)の共同代表の前田です。
Webtoon(縦読みマンガ)の市場規模が2028年には3兆円を突破するとも言われている中、約30名の編集者と約400名のクリエイターが在籍するSORAJIMAは、日々、オリジナルのWebtoon作品を制作し続けています。
そのような状況下、この度、多くの方々にソラジマを評価いただきシリーズBラウンドとして10億円の資金調達を実施させていただきました。
ご出資を決めてくださった投資家のみなさま、本当にありがとうございます&がんばります!!
まだまだこれからのソラジマではありますが、頑張っていくぞー!という気持ちを高めるために、創業から今回の資金調達に至るまでの4年間の軌跡を少し綴ります。
このnoteはソラジマの選考に進むか悩んでいる方に向けて、
- ソラジマがどんな想いを大事にしてこれまで歩んできたのか
- ソラジマがどんな想いを大事にしてこれから歩んでいくのか
- ソラジマにジョインしたらどんな想いを紡いでいく一員になるのか
にフォーカスして創業から今に至るまでの4年間を振り返ります。
これからソラジマに入るかもしれない未来の社員たちがこのnoteを見て、ソラジマがどういう想いで創業された会社で、今いる社員によってどういう想いが紡がれてきたのかがわかり、自分たちがソラジマという会社で何をしていくべきなのかが伝わるといいなと思っています。
目次
前田 儒郎
株式会社ソラジマ 代表取締役Co-CEO
1992年生まれ。早稲田大学教育学部、ソルボンヌ大学大学院文化地理学科卒業。 2017-2019年、日本食チェーン店のフランス事業開発責任者を経て、株式会社ソラジマを創業。 大都市パリで過ごした3年間、日本の武器は「エンタメ」だと確信しました。
創業期、プライドを全て捨ててガムシャラに過ごした日々
▲創業直後の写真:右も左も分からないまま事業的な「何か」をワチャワチャやっていた時期…
今や、面白いものを作ろうとオフィスのあちこちで開戦している白熱した企画会議の声がうるさくてオンライン会議を静かに行う場所すら無いソラジマですが、
最初は萩原と2人、家賃2万円のシェアオフィスから始まりました。
当初は「世界に出ていける大きなことをやる」という約束だけ二人で交わして、何をやるかは走りながら考え続けました。
最初からマンガ領域を狙い撃ちした―、とカッコよく言いたいところですが、経験も何もない僕らでは、会社が潰れないように走り続けることだけで精一杯でした。
僕はソラジマを創業する前、もともと起業して一旗上げようと思って世界的な大都市フランス・パリに渡っていました。
一方で萩原の方は新卒で入った三菱商事という大企業を辞めて、大学時代に山岳部主将だった経験からネパールにある人類未踏の山に挑戦し見事に登頂を果たした人物です。
▲当時、人類未踏だったネパール・ラジョダダ山に登頂の瞬間=中央が萩原
僕は僕でパリでの野望を道半ばで投げ捨てて帰国しソラジマを創業していて、萩原は萩原で人類未踏の山以上に高い果てしなく難しい山に挑戦するためにソラジマを創業しています。
僕の最低条件は「パリでやろうとしていたことよりもずっとデカイことを達成する(じゃないと帰国した意味が無い)」、
萩原の最低条件は「人類未踏の山に登頂するよりも果てしない目標に挑むこと」、
ソラジマを世界的な会社にするというのは、二人の最低条件の共通項から生まれたものでした。
ただし、何者でもない僕ら2人がいくらそんな大きな目標を掲げたところで、それが簡単にうまくいくわけもなく、
それでも、それなりの想いを持って起業した僕らは決して止まることはせず、「誰もがバカにする、大きな夢を叶えてみせる―。」というソラジマの執念がログラインとして言語化されたのはこの時期です。
エンタメとの出会い、確信を持った瞬間!
2019年2月に1500万円のシード調達とともに創業したソラジマですが、最初は何の芽も出ないまま、ただただお金がすり減っていきました。
何もできていないのに会社の寿命が短くなっていく感覚は恐怖でしかなく、半年が経過したころ「このままではあと半年で倒産する」と確信を持つことになります。
そこで僕と萩原はいわゆるスタートアップ的なプロダクト開発を全て捨てて、生き延びるために受託事業を始めることにしました。
当時「令和の虎」に出演した経験もあり、YouTubeのビジネス利用にニーズを感じたため、YouTubeチャンネルをやりたいと思ってる社長たちに営業をかけることにしたのです。
そうこうしてるうちに、YouTubeチャンネルの伸ばし方が手に取るようにわかってきて、「自分たちのチャンネルを運営してみない…?」という案が自然と2人から出てきました。
▲2019-2023年の軌跡
さて、何のチャンネルをやろうかと悩んでいる時、僕と萩原は日本企業を時価総額順に並べてみることにしました。
すると、「SONY」「任天堂」「ネクソン」「バンナム」「カプコン」など名だたるエンタメ企業が上位にランクインしており、また未上場のため時価総額は未算出ですが、「集英社」「小学館」「講談社」など出版社の巨大な存在も際立っていました。
何よりも、僕も萩原もマンガやアニメは大好きで小さいころからたくさん読んできましたし、人生の節目節目のつらい瞬間などには自然と側には『ワンピース』と『キングダム』がありました。
そうして、エンタメという領域に興味をもった僕らはYouTube ✕ コンテンツIPという市場を取りにいくため、新規事業として「YouTubeアニメ」を始めることになります。
これが見事にヒット!多くのパートナー様の協力のもと、合計チャンネル登録は150万近くまでいきました(以下は運営していたチャンネルの一例)。
▲GANMAさまと提携して始めた『女子力高めな獅子原くん』:現在は登録者80万人超え、最大再生数700万超えのお化けチャンネルに成長しているようです。
▲小学館さまと提携して始めた『でんぢゃらすじーさん』:子供のころの思い出に浸りながらYouTubeを通して笑いを届けました。
こうして、エンタメという領域に僕らは確実に手応えを感じました。
しかも、空間軸(=世界規模)でも時間軸(=世代を超える)でも人々に影響を与え続け、リソースが限られた僕らみたいな小さな会社でもそれにチャレンジできる―、
小さい会社なのに世界的にドデカイことをやりたいという矛盾を抱える僕らにとっては「これだ!」と思わせる何かがありました。
「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」というログラインを実現する具体的な手段として「今世紀を代表するコンテンツを創る」というミッションが生まれた瞬間でした。
Webtoonとの出会い、成長フェーズへ
YouTubeアニメで一定の成果を出していたころ、同時に事業の伸びに限界も感じ始めていました。
国内での市場の停滞もありましたし、グローバルレベルでの広がりに意外と大きな壁があり想定外だったからです。
もちろん、クリエイターの方々は本当によく頑張ってくださっていましたが、市場が伸びていなくてはいくら良いものを創ってもファンにリーチしない…自分たちの経営者としての実力不足に悔しさしかありませんでした。
ちょうどその時、各所からWebtoonの名が耳に入ってくるようになりました。
聞くと作り方はYouTubeアニメとさほど変わらず、韓国を中心に20年以上築かれてきた巨大なマーケット規模と確立してるグローバル市場にかなり可能性を感じました。
Webtoon=スマホに最適化した縦スクロール漫画
同じ労力を割いた時に、より多くのファンに届く領域を選択するべきだし、またそういった領域を見つけて社員やクリエイターに提案するのが経営者の仕事であり責任なので、
ぼくらはYouTubeアニメからWebtoon事業に完全事業転換を決意しました。
もちろんすでにYouTubeアニメですでに多くの方々にご協力いただいていたため、誠心誠意、謝罪させていただき、またWebtoonの可能性を説明させていただきました。その節はみなさま本当にご理解とご協力をありがとうございました。
そうして2021年春にWebtoon制作をはじめた僕らは、YouTubeアニメ時代にガムシャラに積み上げた創作理論をもとに、1作品目からしっかりと数字を出すことができ、再度多くの方々に支えられ、その後も様々な実績を残し快進撃を続けました。
2022年の月商成長率はなんとか12ヶ月平均で毎月37%という異常な数字を叩き出しました。現在ではオリジナルのWebtoonを約30作品、世界11ヶ国、24のマンガアプリに配信するに至りました。
そうしてこういった想いや実績が評価され、2023年3月のにシリーズBランドとして10億円の出資をいただく運びとなりました。
これらの資金は、
・さらなるオリジナルWebtoonの制作
・クリエイター&編集者の創作環境の改善、効率化
などの投資に当てていく予定です。
より一層頑張らせていただくので、よろしくお願いします!!
仲間に恵まれ気付く「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」の本当の意味
さて、最後に少し最新の気づきを共有させてください。
今、世界のマンガ市場にパラダイムシフトを引き起こそうとしているWebtoonは、まさに時代をうねらせています。
時代のうねりに不可思議に才能が集結するというのは、キングダムのキャラクターも言っていた(?)ことですが、まさに今ソラジマにその現象が起きている気がします。
つまり、創作をすることに尋常でない執念と才能を持つ人々が今、ソラジマに確実に集結しています。
きっと、こういう熱気からとてつもないコンテンツが産まれてしまうんだろうなと、おかげさまで毎日、歴史的な瞬間に立ち会っている気持ちにさせてくれます。
ひょっとすると今日この日の仕事が10年後に誕生する「世紀の名作」に繋がっているのかもしれないのです。
▲株式会社ソラジマ2023年度入社社員の内定式
なぜこれだけ熱量のある人々がソラジマに集まってくれるんだろうと考えた時、
多くの方がソラジマに応募してくださる中、僕と萩原が創業期のガムシャラな時代に言語化した「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」というログラインに共感をしてソラジマに興味を持ってくださる方が多いことに気付きました。
またそうして頑張る社員たちの姿に惹かれて次の社員が入ってくる〜という循環も生まれています。
ここでようやく気付いたのは、自分たちが強い信念と執念を持って「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」ことは、周囲に好影響をあたえ、勇気を分け、人々に夢を持たせる力があることです。
正直なところ、ガムシャラにやっていた創業期とは違って「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」って会社のログラインとしては自分たちのことしか考えておらず、とてつもなく自己中心的ではあるよなぁ、これでいいのかなぁと心のどこかで思っていました。
だけど、こうして仲間たちが集まってくれる姿を見ると、きっとこれがしたかったんだろうなぁとも思っています。
つまり、自分たちが「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」ことで、その熱気が次の人に繋がり、その人の熱気がまた次の人に勇気を与える、この循環が生まれ、この循環を産むことをソラジマではエピローグ(夢を叶えた果ての願い)と呼ぶことにしました。
▲ソラジマの目指す終着地点
仲間が必要です
だけど、どれだけ壮大で崇高な目標を掲げても、実現しなければそんなことはただの戯言で終わってしまいます。
ソラジマがエピローグ(=人々に勇気と夢を与える)を実現するためには、まずは何よりも自分たちの「誰もがバカにする大きな夢」を何がなんでも叶える必要があります。
それは「今世紀を代表するコンテンツ」を生み出すことだし、当たり前ですがこれを実現するためには並大抵の覚悟と努力では足りません。時間もかかると思います。
だからこそ、一緒に戦ってくれる仲間が必要です。
ソラジマに来て良かった…と言ってもらえる自信がソラジマにはあります。ソラジマは創作が大好きなメンバーばかりが集まった、本当に楽しくて最高の会社です。
僕らはどれだけ地味で泥臭いことでもいとわず、ミッションを達成するためにできることを全部やっていきます。
もし少しでも共感してもらえるところがあれば、ぜひ一緒に走り抜けて時代を創りませんか?
▲ソラジマのこれからのロードマップ