編集部共通
2026.10.02
出版社に全部落ちた僕が、それでも漫画編集者になって分かったこと

2021年、漫画編集者になりたくて、志望した出版社だけを受けて、全部落ちた。そこから、当時YouTubeアニメの会社だったソラジマに入り、漫画の事業の立ち上げとともに縦読み漫画の編集者になった芝さんに、話を聞きました。
入る前に見ていたもの、入ってから分かったこと。漫画編集者を目指している方、出版社の選考で悔しい思いをした方に向けて、そのまま書きます。
目次

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1998年、埼玉県生まれ。幼稚園に行けなかった時期に父が買ってくれた『キャプテン翼』(高橋陽一)で、漫画の世界に熱中する。小学生から高校まで、毎日サッカー。早稲田大学在学中の出版就活で、出版社に全部落ちる。ソラジマにインターン生として入り、卒業後、編集者として正式に入社。
「趣味は仕事にするな」「出版社の倍率やばいらしいよ」
漫画編集者になりたい、という気持ちはずっとあったんですか?
芝:「漫画の重みで床をぶち抜くこと」がひそかな野望、というくらい漫画が好きで、ずっと漫画編集者を夢見ていました。
でも周りには言われたんです。「趣味は仕事にするな」「出版社の倍率やばいらしいよ」「髪型が怖すぎる」。
僕は全部聞き流して、この髪型のまま出版社だけを受けました。大好きな漫画に関われる仕事があるのに、他の道に進む意味がわからなかったので。
準備はどうしていましたか?
芝:体験談のブログや口コミ、OB訪問で集めた情報をまとめると、「運ゲー」「ずっと喋ってたらなんか受かった」。それだけを信じて趣味に没頭していたら、選考が始まる頃には将棋のアマチュア2段になっていました。
何を目指していたんですか……!
芝:何をしていたんでしょうね……。エントリーシートは誤字まみれ、筆記試験はあてずっぽう、面接では将棋の話。必死に作り込んだ志望動機は、あまり役に立ちませんでした。どの出版社でも2〜3次面接くらいまでは進めましたが、僕の実力ではそこが限界でした。
2〜3次まで進めた理由は、どこにあったと思いますか?
芝:アドバイスするなら、「好きな作品の、好きな理由を言葉にしておく」。どの面接でも聞かれました。僕はできるだけ筋道立てて話せるように準備していました。あとは「自分だけの面白いエピソードがある」「はきはき喋る」くらいです。僕の場合は、スウェーデン人のおじさんと1週間、高知県を歩き回った話でした。

落ちた面接では、だいたい考えがまとまらず、ふにゃふにゃ喋っていたので、「(はきはき)ずっと喋ってたら受かった」は真理かもしれません。
それでも、第一志望は……。
芝:2021年4月、第一志望の出版社から不採用の通知が届きました。漫画編集者になれない。漫画に関わる仕事ができない。中学でサッカー選手の夢を諦めてから、二度目の挫折です。
そこで夢を諦めたんですか?
芝:いえ、すぐに別の道を探しました。編集者になれないなら、漫画家になればいい。読み切りを3本描いて、出版社に持ち込みに行きました。……漫画家として食べていけるようになるには、長い時間がかかると悟りました。とにかくどこかに就職しなくては。そんなときに出会ったのが、ソラジマです。
当時のソラジマは、YouTubeアニメの会社だった
入る前、ソラジマのことはどう見ていましたか?
芝:正直、怪しい会社だと思いました。当時のソラジマはYouTubeアニメの会社で、僕はYouTubeアニメのことを何も知らなかったので。ただ、そのときの僕は、エンタメに関われてお金がもらえるなら何でもいい、という状態でした。
代表の萩原と面談して、出版社を目指していたこと、漫画を描いていることを全部話しました。萩原はずっと厳しい顔のまま、「ちょうど漫画の事業が立ち上がっていて、漫画編集者を募集している」と言いました。そんなことあります? 漫画編集者になれなかった僕に、突然チャンスが転がり込んできたんです。
漫画の中の話みたいですね。
芝:そして、やっぱり一切笑わずに「一回飯食いにいこっか」と言われました。意味がわかりませんでした。代表や編集者の方とおいしいランチを食べて、当時の地下の怪しいオフィスに案内されて、簡単な会社紹介を受けて、気づいたら選考が始まっていました。
「今日から採用関連の責任者だから、よろしくね」
※当時のソラジマはYouTubeアニメの事業が中心で、漫画の事業は立ち上げたばかりでした。オフィスも、今から2つ前のオフィスです。現在のソラジマは、「物語の力」を信じる漫画出版社です。
芝さんは、当時まだ学生ですよね……?
芝:そうなんです。選考で学生にプロジェクトを任せるなんて、度胸がすごいなと思いながら、精一杯がんばりました。僕はやるときはやる男なんです。
そうして2021年9月、選考を通って、漫画編集者として働き始めました。
※芝さんが入社したのは2021年当時の選考です。今の選考は5つのステップで進みます。詳しくは漫画編集者の採用試験——ソラジマの選考5ステップと、各段階で見ているものにまとめています。
求められるのは、ヒット作をつくること。それだけ
入ってみて、何を求められましたか?
芝:求められたのは一つだけです。ヒットする作品をつくること。
最初の仕事は、ヒットする作品の企画を立てることです。自分で企画を考えることもあれば、作家の方から企画が届くこともあります。すごく面白い女性向け作品の企画が届いて、僕がその作品を担当することにしました。
あ、上司に「やれ」と言われて女性向けを担当しているわけではないので、そこは安心してください。
企画が決まったら、その後は?
芝:作家の方々と一緒に、1話ずつ原稿を仕上げていきます。作品ごとに、担当いただく作家さんは違います。その作品の魅力をより磨いてくれる作家さん・クリエイターさんを探して、参加してもらいます。
だって、読者の心を動かす面白さがなければ、作品は届きません。届かなければ、作家さんやクリエイターさんが描き続けることもできない。だから、ただ作れればいい、早く出せばいいというものでもない。面白さと成果の両方を、ずっと問われます。
志望していた出版社に落ちて、なんだかんだ良かった
当時志望していた出版社への再挑戦は、考えなかったんですか?
芝:正直、インターンをしながら出版就活にもう一度挑もうと考えていた時期がありました。
まさかの……!
芝:でも、実際に働く中で「志望していた出版社に落ちて、なんだかんだ良かった」と思うことが何度もありました。負け惜しみではありません。……負け惜しみではありません。
(笑)なぜですか?
芝:ソラジマには、どんな作品を、どう届けるか。それを自分で考えて、実行できる環境があります。機会を与えられる・任されるのを待つのではなく、自分から掴み取りに行くことができるからです。
僕は夢に破れて、ここでチャンスをつかんで、翌年(2022年)の3月には担当作品の連載を開始できました。
もちろん、早ければいいわけではありません。でも、編集者として作品を出せる機会が多いのは、間違いなく良いことだと思います。そして今も、ここで担当作品を持ち、作家さんと作品を磨く経験を積み続けています。
迷っている人へ
最後に、編集者を目指す方へ。
芝:志望した出版社に落ちたからといって、漫画編集者の道が閉じるわけではありません。現に、僕がそうです。
そしてなんと、ソラジマでは編集者を募集中です!本気でどでかい夢を叶える気概がある人を、待っています!
漫画編集者の選考について
- 自分に合うかどうかを確かめたい方は、選考で見ていることをまとめたこちらへ:漫画編集者の採用試験——ソラジマの選考5ステップと、各段階で見ているもの
- 未経験から漫画編集者になるには:未経験から漫画編集者になるには——採用担当が、3つの道と選考の実際を解説
- 応募はこちら:漫画編集者の募集要項


