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編集者

2023.12.23

全ての根源はネームにあり ~徹底分析+言語化で1000の引き出しを持つ編集者に~

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はじめに

こんにちは!Webtoonスタジオのソラジマ広報チームです!
ソラジマ編集部には2023年11月現在、7つの編集チームがあり、1チームに3~6名が所属しています。
チーム長は自身も編集者でありながら、自チームからヒット作品を出すためにチームの運営方針を定め、定例MTGや勉強会、作品へのフィードバック会(FB会)の運営をしています。

今日は7つのチームの中でもとくに勉強会に積極的なチーム長がいると聞きつけ、広報チーム員が自ら潜入してきました。

早速、勉強会に潜入!そこには圧倒的に成長できる環境があった

有泉チームでは、週に2回の勉強会があります。
今回の勉強会は、「カード作成」。

この「カード作成勉強会」とは、尾崎翔也さん著書『三年でプロになれる脚本術』に書かれているトレーニング方法を参考に、有泉チーム流にアレンジしたものだそうです。

「カード」というのは、「自分オリジナルの引き出し手帳」のこと。これらのカードには、例えばこんなことが書かれています。

【モテすぎ疑心暗鬼】
モテすぎて人を信じられないヒーロー、格が高く見える。「女避け」を理由に偽装結婚する流れも作れる。
【ちゅーするのか!?引き】
顔が近づいちゃったりして「ちゅーするのか!?」と思うシーンで終わると、次の話も読みたくなる。
【秘密のお困りごと】
小説の中に転生しちゃう物語や、逆行転生する物語などで使いやすい技。主人公しか知らない強キャラの「弱点」や「お困りごと」を作っておくと便利。主人公がこのキャラに認められたり、取り入るきっかけになる。

いわば、面白い物語を作るための、一手間の小さな技術の数々。
有泉チームのカード作成勉強会では、これらのカードを1人1000枚作ることを目標にしています。
これらのカードは、脚本家さんとの打ち合わせの際に、新しいアイデアを一緒に生み出すためのきっかけとして役立ちます。
今回の勉強会でディスカッションする作品は、ソラジマヒット作のひとつ「推しの執着心を舐めていた」です。

勉強会は、以下のような手順で進んでいきます。

1:事前に勉強会で学ぶ作品を1つ選ぶ。今回は「推しの執着心を舐めていた」。
2:勉強会までにその作品を読んできて、使われている「脚本技術」を発見して単語帳に書き込んでカード化しておく。
3:勉強会では、カードを出しあいながらディスカッションをしていく。
4:「それいいね!」と思ったら、他のメンバーが見つけた脚本技術を自分のカードに足してもOK!

自分1人では気づかなかった視点も得られるので、「自分オリジナルの引き出し手帳」の質も非常に高いとのことです。

それぞれが持ち寄ったカードに対し「そうそう、やっぱりこれは鉄板だよね」「特にこのキャラクターのこういうところが作品を盛り上げているよね」等、編集者ならではの視点と世の中のトレンドを交えて話していきます。

互いにリスペクトの精神を持ち、丁寧にテンポよく1つのカードに対し話している様子はチームとしての仲の良さも伺えます。

このようにソラジマでは、チームごとに工夫された勉強会で、互いに成長できる環境を作り出しています。それでは、チームリーダーである有泉さんに早速インタビューをしてみたいと思います。

有泉さんに聞く、この勉強会で得られることは?

まずこのチームについて教えてください。

有泉:うちのチームは、漫画制作において特に脚本とネームに力を入れています。
僕は副業で漫画原作者もやらせていただいていて、入社前に脚本とネームについて独自に学んできました。
一方、絵については詳しくありませんので、チームメンバーに教えてもらうことがよくあります。
チーム全体で脚本とネームのスキル向上と各々の成長を目指し、「みんなでめちゃくちゃ勉強しよう」という姿勢で取り組んでいます。

例えば物語の構成がうまい、展開がたくさんある、など、一口に「技術」と言ってもいろいろあると思うのですが具体的にはどのようなことを脚本技術と呼ぶのでしょうか?

有泉:ポイントが2つあると思っています。

まず一つ目は、読者が作品を購入して「買ってよかった」と思うことです。
つまり、読者が支払った価格に見合う価値を提供することが重要です。
そして、もう一つは「次もお金を払って読みたい」と思ってもらうことです。
これは「引き」と呼ばれる要素で、前回の終わり方が気になって次の話も読みたくなるような工夫をします。このサイクルを繰り返すことで、読者が作品に満足し、ソラジマとしても売上が上がる効果が期待できます。この2つを目指しています。

この2つのどちらかにつながりそうな技術は、どんなに些細なものでも、全て「脚本技術」と呼んでいます。どんな作品でも、面白いものには大概、隠れた技術があるものです。
この技術について徹底的にみんなで分析し、勉強を重ねています。

その技術について分析をするための「カード作成」なんですね!

有泉:はい。
「これは私の担当作で使えそうだから、脚本家さんに話してみてもいいかも」「やっぱり売れ筋の作品にはこの展開が入っているね」というような議論を通じて、段々チームでも技術が共有できてきます。なのでチーム内でお互いの担当作品にフィードバックを出し合う時にも、「あれだよ、あれ!あれを入れたらいいんだよ!」みたいな感じで、フィードバックがすごく早くなってくるんです。

そして何より、脚本家さんとの打ち合わせで煮詰まった時などに、この勉強会で作ったカードが突破口になってくれる時もあり、そういう時には嬉しいですね。この数ヶ月「カード作成勉強会」をやってみて、チーム全体でも脚本技術や、webtoonならではの見せ方の引き出しが増えてきたなと感じています。

今後も、「カード作成勉強会」だけでなく、いろんな方法の勉強会を取り入れていきたいと考えています。

勉強会を通して、実務に活かす。1人ではなく、みんなでディスカッションし合うこの勉強会の環境こそが、成長に繋がることが分かります。
今回チームの皆さんにもコメントをいただきました。

メンバーに聞く、この勉強会を通して感じた成長

石川:新人の時ってなかなか作品を見る視点が少なくて苦労することが多いんです。でもこの勉強会のように自分1人で作品分析するのではなく、複数人で複数の視点がある中でインプット量が増加するので、「これってこうだよね」って面白みを見つけていくのは、自分の感覚も磨かれますし言語化も捗ります。この勉強会は、すごく自分の血肉になっているなと感じています。

:編集者に必要な力というのはの「感動を受け取る力(感)、その感動を理論化する力(理)、さらにその感動を人に伝える力(伝)」の3つだと漫画編集者、原作者、経営者である石橋和章さんのTweetで拝見しました。

この勉強会ではまさに、『なんだか良いな』と感じたシーンを理論化し、他編集者に共有することで、「理」「伝」の部分を鍛えることができています。また、自分が気づかなかった『なんだか良いな』を共有されることで、自身の「感」にも良い影響があると思っています。それはすなわち編集者に必要な要素全てを鍛えることになるので、とても身になっています。

中橋:私のすごいと思う編集者さんは、「引き出し」が多い人だと思ってます。この勉強会では、様々なテクニックを自分の言葉で言語化するので、自分の引き出しの質と量を向上させることができているのではないかと考えます。実際に脚本で悩んでいた時に、ここで培った引き出しを作家さんとの打ち合わせでお話ししたことで、解決のヒントとなり、良い方向になったこともありました。

尾屋:他の編集者の視点、自分では気づけないところまで一作品に対して多角的視点で気づくことができることが「素晴らしい」と思っています。普通に読むだけだと見逃してしまうような展開であったり、伏線であったり、そういったものを細かく見ていけるというのは、この勉強会だからこそ時間を使ってできることかなと思っています。この勉強会はとてもいい時間だと感じています。

桝平:売れている作品は、読者さんの求めているものをサプライズと安心感のちょうど良いバランスで提供できていると思います。その構造を言語化した「売れテク」は、増やせば増やすほど編集業務に役立っています。世の中の多くの方にとっての「面白い!」を理解しようと努めることは編集者にとって大事なことですが一人ではどうしても限界があるので、こうしてチームで知見を積んでいけるのは質・スピードともに効果的だと思います。

おわりに

ソラジマでは「最高の編集者」と「最高のクリエイターさん」がともに作品を創っていくことが今世紀を代表するコンテンツに繋がると信じています。
最高の編集者と最高のクリエイターさんにソラジマを選んで頂くために、私たちは最高の成長環境を提供していきたいとおもっています。
ソラジマでは編集者だけでなくビジネス職種、コーポレートスタッフ含め、マンガ制作にアツい気持ちを持って取り組んでいます。
「誰もがバカにする大きな夢を叶えて見せるー。」「今世紀を代表するコンテンツを創る」というメッセージに共感した方と働ける日を楽しみにしています!

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