Webtoon事業への参入を発表した日本の企業
■出版社
マンガと言えば出版社。従来の横型マンガのノウハウを活かし、既に多くの出版社がウェブトゥーン事業を始めています。
・集英社
「タテの国」、「氷の城壁」など、既に各編集部でウェブトゥーンを開発していた集英社ですが、2023年の5月に縦読みマンガ専門の編集部「ジャンプTOON」を発足することを発表しました。同時に「ジャンプTOON AWARD」で作品を募り、リリースに向け準備を進めています。編集長には『ONE PIECE』や『BLEACH』を立ち上げた経験を持つ浅田貴典さんを起用。「ジャンプ」の名前を背負うに足る、力の入れようが伺えます。
・KADOKAWA
KADOKAWAも比較的早い段階からウェブトゥーンに取り組んでおり、KADOKAWA主催のマンガ賞「タテスクコミック大賞」は、2022年末で2回目を迎えました。そして、現在受付中の第3回ではグローバルとも連携し、アジア圏を中心に海外からも作品を募っています。
・小学館
2022年ウェブトゥーンの専門部署を作ると同時に、制作スタジオ「STUDIO SEED」を立ち上げた小学館。同年6月にも、バンダイなどと共同でウェブトゥーンコンテスト「TOON GATE」を開催し、マンガ制作リアリティーショー番組を制作するなど、業界を盛り上げています。
そして2023年の4月からは、週刊少年サンデーの新連載『スーパーストリング―異世界見聞録―』を同時にウェブトゥーン化するという、「ウェブトゥーン×マンガ雑誌」のハイブリッド連載を発表しました。制作されたウェブトゥーンは、グローバル展開もされる予定です。7月16日時点でウェブトゥーン化はまだされていないようですが、このような新しい試みがどのように発展していくのか、今後も目が離せません。
他にも、ウェブトゥーン専用レーベル「BS studio」を立ち上げている新潮社をはじめ、双葉社や日本文芸社といった中小出版社でもウェブトゥーン制作の動きが相次いでいます。
■放送局
「縦型マンガ」とは言いつつも、アニメなど映像にも親和性が高いウェブトゥーン。コンテンツやキャラクターの著作権(IP)のライセンス使用料を得る「IPビジネス」を見据え、放送局からも参入が増えてきています。
最近で言えば、コロナ禍で多くの話題を集めた『梨泰院クラス』は、原作のウェブトゥーンがドラマ化されヒットし、更に日本で『六本木クラス』が制作されるなど、IPビジネスとして大成功を収めています。このように、放送局が自社でIP開発に成功すれば、ライセンス料無しにドラマやグッズなども作ることができるため、利益を最大化できるのです。
・TBS
TBSは2022年の5月に、韓国にてウェブトゥーン制作会社「Studio TooN」をいち早く設立しています。マンガ・プラットフォームシェア韓国第1位のNAVER WEBTOON社などと手を組み、海外進出も見据えたウェブトゥーン開発に取り組んでいます。また、2023年7月にはゲーム事業に本格参入することを発表するなど、オリジナルIP確保への本気度が伺えます。
・日本テレビ
2023年の3月に、日本テレビも縦読みマンガ市場への参入を発表しました。「3年A組―今から皆さんは、人質です―」を手掛けた福井雄太プロデューサーが原案を務める『人類討伐』は、現在LINEマンガで公開中です。また、『金田一少年の事件簿』のシナリオを手掛けた金成陽三郎氏らによるバトルアクション作品も公開予定で、今後も作品数は増えていきそうです。
TBSなどに比べると後発組にあたる一方で、実力派プロデューサーが手掛ける脚本に強みを持つ日本テレビ。テレビ局のノウハウを活かし、業界の覇権を握ろうとしています。
他にも、テレビ東京は初のウェブトゥーン『俺、最強の狐ヤロウを召喚する』というバトルアクションコメディ作品を2023年の3月から公開しています。また、テレビ朝日も2025年までの経営計画でウェブトゥーンの事業化について触れており、今後本格的に参入することも十分に考えられます。
■その他企業
・楽天
2023年6月に、楽天はデジタルコミック配信サービス「R-TOON」を今秋以降に提供開始する見込みだと発表しました。配信サービスの運営だけではなく、少年画報社やストレートエッジ、ニトロプラスらとウェブトゥーンを中心としたオリジナル作品を共同制作し、「R-TOON」にて配信します。「楽天経済圏」と呼ばれる経済基盤を活かし、ウェブトゥーンで生み出したIPを包括的にプロモーションしていく狙いがあるようです。
・グリー
SNSサービスを展開するグリーは、マンガの制作や配信を手掛ける子会社「DADAN」を設立。2022年末からウェブトゥーンに注力した配信プラットフォームアプリ「DADAN」を提供しています。2023年の1年間で1万作品を掲載する予定です。ゲーム・アニメ事業、メタバース事業等を通じて培った、プラットフォーム運営ノウハウ、コンテンツの企画・制作やIPプロデュースの経験を生かし、ピッコマやLINEマンガなどが覇権を握るマンガアプリ市場に挑戦しています。
他にも、サイバーエージェントの子会社であるCyberZの「StudioZOON」やDMM.comの「GIGATOON Studio」を筆頭に、DNP(大日本印刷)、アカツキなどのゲーム会社、配信にはappleやAmazonも加わるなど、他業種からも多くの企業が名を連ねています。
このように、日本のウェブトゥーン業界は、ここ数年で大きな盛り上がりを見せています。ウェブトゥーンを出している企業やスタジオの数は既に100以上にのぼる予想で、今後も増加が見込まれそうです。
ウェブトゥーンが人気の理由
ウェブトゥーンの急成長には、少なくとも3つほど理由が考えられます。
スマホに適した、新しい表現方法であること
出典:ネーム作家が教えるWebtoonネームの基本の"き"!
一点目は、スマホに適した新しい表現方法であることです。最近の日本のマンガはじっくり読むタイプの作品が増え、スマホだと読みづらいこともあります。また、「マンガの読み方がわからない」という人も一定数いるようです。例えば下のマンガであれば、「右のコマから順に下に読んでいく」という日本マンガのルールが分かっていないとストーリーの展開が追えなくなってしまいます。情報量を抑え、スクロールのみで読めるウェブトゥーンは、その読みづらさを解消しているのです。
また、日本のマンガは右から左の白黒絵、一方アメコミは左から右に読むフルカラー絵など、マンガの構造の違いは海外進出の妨げになっていました。そんな中、万国共通のフォーマットになりつつあるウェブトゥーンは、海外進出さえも容易にしているのです。
紙のマンガに比べ、参入リスクが低いこと
二点目は、紙媒体で売り出さないため参入リスクが低下していることです。以前は全国の書店に流通させなければならず、売れなければ在庫リスクもありました。一方ウェブトゥーンの経営モデルでは、製作費は従来のマンガよりもかかるものの、より低リスクで流通させることができるため、参入障壁も小さいのです。
独自のIPを開発する場として適していること
三点目は、IPを独自開発すればその後のビジネス展開も容易である他、二次利用による利益を最大化できる点です。『鬼滅の刃』が大流行を巻き起こしたように、現代においてIPの重要性は論をまちません。その中でウェブトゥーンは現代に合った表現方法であり、かつ他のエンタメに比べコストも抑えられることから、IPの創造の場として最適なのです。
ウェブトゥーン市場の成長
参考:WEBTOON(ウェブトゥーン)利用者に関する調査 (mmdlabo.jp)
ウェブトゥーン市場は順調に成長を続けており、2028年には世界市場が275億ドル(約3兆8800億円)に達するとも言われています。これは2022年の日本のマンガ市場の6倍にあたります。
業界の成長に合わせ、ウェブトゥーンの読者人口も増加しています。上のグラフは、コミックアプリ・サービスの利用者のうち、ウェブトゥーンの閲覧経験がある割合を世代別にまとめたグラフです。全体で見ると40%以上がウェブトゥーンを見たことがあるようです。また、最も利用数が少ない60代の閲覧経験が35%を超えるなど、世代問わず親しみを持たれていることがわかります。
その中でウェブトゥーンをほぼ毎日読む人は20%、週に1回以上読んでいる方は50%を超えるなど、ファンが定着してきていることもうかがえます。
ウェブトゥーン制作スタジオ・SORAJIMAの強み
大手企業の参入も目立つ中、SORAJIMAのようなベンチャー企業に勝ち目はあるのかとお思いの方も少なくないと思います。ですが、SORAJIMAは早期からウェブトゥーンに取り組んできたノウハウを活かし、大企業と対等以上に渡り合っています!
重要なのは、マンガとウェブトゥーンは似ているようで、「制作方法」や「読者層」などに大きな違いがあることです。
制作方法
ウェブトゥーンは、役割を複数人で分担するスタジオ型で制作されるのが一般的です。一方、日本のマンガは1人、もしくは原作と作画の2人で描くのが基本で、大手の出版社であってもスタジオ型のノウハウは持っていません。
基本的にウェブトゥーンがフルカラーで週間連載をしなければならないことを考えると、従来のマンガ制作の手法ではクオリティを保つのは困難です。スタジオ型の手法を確立できているウェブトゥーン制作会社は、大きなアドバンテージを持っていると言えます。
また、ウェブトゥーン制作では自分の得意分野を活かすことができるため、より多くの多様な人材が集まりやすい環境になっています。実際に、直近一年間にマンガを制作した人のうち、縦読みマンガ(ウェブトゥーン)を手掛けた経験があると答えた人は5割ほどと、横読みマンガの数値とほとんど変わらない水準にまで来ています。マンガアプリなどに応募した作者の割合では横読みを上回るなど、人材の流入は加速しているのです。
読者層
スマホで手軽に読めることが売りのウェブトゥーンは、サクッと読んでも分かりやすい内容の方が好まれる傾向にあります。そのため、ウェブトゥーンの読者は普段マンガを読まない層の割合が高く、マンガと読者を奪い合うことは、現状起きにくい状況にあります。その上で、今後作品数やジャンルが増えヒットタイトルが生まれれば、マンガファンにもリーチする可能性を秘めているのです。
また、読者層が異なれば当然求められる内容も異なり、好まれるジャンルに対するリサーチも重要です。今のウェブトゥーンでは、男性向けでは「チート主人公系」、女性向けでは「ロマンスファンタジー」や「悪役令嬢系」など、爽快感のある展開が求められています。SORAJIMAでもその傾向を踏まえた作品を作り出しており、数々のヒット作品を生みだしています。
SORAJIMAの実績
ウェブトゥーンは今後大きく成長する可能性を秘めていること、そして、制作スタジオにはノウハウの蓄積という強みがあることについて分かっていただけたかと思います。
以上を踏まえ、SORAJIMAの実績について触れたいと思います。
まず、SORAJIMAは国内のウェブトゥーン制作会社の中ではトップクラスの作品数を誇ります。2022年「アルファベットプロジェクト」を達成し、26作品の公開に成功しました。この数字は、脚本から作画まで一気通貫で完全オリジナル作品を制作している日本企業の中では、2022年において国内最多の制作数です。
そして、2023年は51作品のリリースを目指す「五十音プロジェクト」を発表。ウェブトゥーンの本場である韓国のトップスタジオに並ぶ作品数を目指しています。
縦読み漫画の投入倍増 ソラジマ、23年度は51作品 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
強みは数だけではありません。SORAJIMAの作品はクオリティも高く、どの作品も人気を集めています。実際に、SORAJIMAが制作した『かたわれ令嬢が男装する理由』が「LINEマンガ2022年間ランキング」の「2022新作」部門の14位にランクインしました。これは、日本のスタジオ制作の作品の中では1位にあたる好成績です。LINEマンガはピッコマと並び、日本のマンガアプリ界では大きなシェアを誇ります。このランキングに作品が載っていることは、SORAJIMAの実力の何よりの証拠です!
そして最近で言えば、マンガ配信サービス「comico」の「2023年上半期ランキング」にも、人気作品TOP10、新作TOP10合わせて6つものSORAJIMA作品がランクインしています。総合1位に輝いた人気作『傷だらけの聖女より報復をこめて』を始め、2023年もSORAJIMAの勢いは止まりません!
SORAJIMA6作品がランクイン!comico2023年上半期ランキング
マンガ配信サービス「comico」にて、2023年上半期ランキングが発表されました。人気作品TOP10、新作TOP10合わせて6つのソラジマ作品がランクイン!そして総合1位を飾っているのは、なんと、大人気のあの作品なんです……。すでにソラジマ作品を読んだことがある方も、まだの方も。「これもソラジマが制作だったんだ!」という発見があるかもしれません。ぜひ今回の記事で、ソラジマのwebtoon作品をより深く知っていただければと思います!▼プレスリリースはこちらから人気漫画アプリ「comico」にて、ソラジマのWebtoon 6作品が2023年上半期人気・新作人気ランキングTOP10にランクイン!prtimes.jp
story.sorajima.jp
以上のように成長が確実視されているウェブトゥーン業界ですが、人材は足りていないため、すぐにでも活躍することができます。SORAJIMAは、あなたの参加を待っています。
SORAJIMAでは、一緒に「大きな夢」——「今世紀最大のコンテンツを創る」仲間を募集しています。
SORAJIMAの編集者は、学生インターン・未経験・転職からでも挑戦できます。少しでも興味があるという方、まずはお気軽にお問合せください!