1. トップ
  2. クリエイター
  3. 【ピッコマ1位!大人気作品】『傷だらけ聖女より報復をこめて』の脚本家さまと編集者へインタビュー企画

クリエイター

2024.01.31

【ピッコマ1位!大人気作品】『傷だらけ聖女より報復をこめて』の脚本家さまと編集者へインタビュー企画

eye catch

あなたは縦読み漫画を読んだことがあるでしょうか。
スマートフォンで隙間時間に手軽に読めるとして、韓国発の縦読みデジタルコミック「Webtoon(ウェブトゥーン)」が昨今、漫画大国・日本でも注目を集めています。Netflixで日本でも話題になった人気ドラマ『梨泰院クラス』(2020)なども、実はWebtoonが原作。ドラマ化や漫画化でのヒット作が次々誕生していることから、今最も注目される市場の一つとなっています。

人気作品の原作者&担当編集者にインタビュー!

ピッコマ1位を記録した、大注目の漫画『傷だらけの聖女より報復を込めて』(以下:『傷だらけ~』)。弊社でも5本指に入るヒット作です。

今回は、原作者の編乃肌さんと、担当編集者である志賀さんにインタビュー。人気の秘密に迫ります。 

『傷だらけの聖女より報復をこめて』は現在、第82話まで連載されています。あらすじ は、以下の通りです。

<あらすじ>
治癒の力を持つ聖女候補のルーア。しかし彼女の能力には欠点があり、症状を自分に移して治癒するため、自身に痛みや苦しさが伴うものだった。そんな彼女を欠陥扱いする聖女候補たちだったが、親友のアリアンだけはいつも庇ってくれていた。
ある日、ルーアが想いを寄せる騎士団長のガロットが瀕死の状態に。彼の傷を完治させたルーアは、能力の限界で生死の境を彷徨う。
しかし目覚めた時、手柄はすべてアリアンのものになり、ガロットとアリアンの婚約が決まっていた。アリアンの本性を目の当たりにし、ガロットからも冷たく当たられる。
絶望し、もう誰も癒さないと誓ったルーア。そこに第二王子スウェンが、「君を貶しめてきた奴等に復讐をしないか」と持ちかける。
彼女は隠していたもうひとつの能力──これまで癒した症状を他人に与える加虐能力──を使い、スウェンと手を組んで"聖女"ではなく"悪女"として新しい人生を始める。

▼作品はこちらからご覧ください。

▼この作品のクリエーターの皆様(以下:敬称略)
企画作家:編乃肌
ネーム:NGC7K
人物線画:アマノハラペコ、クボ
人物着彩:しいな柚、黄鈴夕生
背景:安達園丸、ゑすこ
仕上げ:時雨ふうりん、泊とまり

「傷だらけ~」は今年、漫画小説アプリ「comico」では2023年上半期1位を獲得。国内最大級のマンガ・ノベル配信サービス・ピッコマでも1位を獲得しました。まず率直になぜこんなに人気の作品になったと感じていますか。

編乃肌さん(以下:肌):『傷だらけ~』は、幅広い世代の女性に届けたいと思って生まれた作品で、最初は分かりやすい展開で気軽に読み始められて、だんだんと深くハマっていってもらえるような作りにしたいなと思っていたんです。そのテンポが良かったのかな。着地点をしっかり考えて伏線を回収できるような構成にしているので、そこを面白いと思ってもらえているなら嬉しいです。

志賀さん(以下:志賀):あとは「強い女性」「復讐」みたいなものがトレンドだったときに、丁度タイミング良く作品を出せて、読者さまが求めるものを届けられたのかなと。 

読者さまからの感想は届いていますか?

肌:いただくお声から見るに、キャラクターを好きになってくれている人が多いなあという印象です。それは私だけではなくて、毎話美しい絵を描いてくださっている他のクリエイター様方のお力のおかげなのですが!私もキャラを重視して書くタイプの作家なので、「キャラクターが物語を動かしている作品」として皆さんに愛されて、面白く受け止めてもらえているなら本望ですね

おふたりが一緒に仕事をし始めたのはいつからですか?

志賀:肌さんが持ち込んだ企画書を読んで、約2年前に私の方からお声がけしました。「強い女性が未来を切り拓く作品を書きませんか」と。

肌:私も面白そうと思って、「じゃあ考えてみます!」となり、そこから『傷だらけ~』が生まれました。

原作者として、「Webtoon」ならではの難しさはありますか?

肌:横読みの漫画よりもさらに隙間時間に読むイメージがあるので、説明しすぎないように心がけています。普段は小説を書くときには割と設定とかを事細かに描写するタイプなのですが、説明や台詞が多すぎると疲れてしまうかなと。絵で説明できる部分はなるべく絵で表現して貰うとか、「カロリー削減」しています(笑)

一方、編集担当者としての苦労はどういったところにありますか?Webtoonは作画や着彩などがそれぞれ担当に分かれていると聞きます。関わる人数が多い分、(いわゆる一般紙の)普通の漫画担当とは違った苦労があると予想されますが

志賀:従来の横読みの担当をやったことがないので、各々の大変さを比較できないのですが、例えば脚本の意図が作画の方に伝わりづらかったり、逆にネームは良かったけど、着彩でイメージと違ってしまったりするということが、どうしても分業制では起こってしまいます。その意思疎通をしっかりとりまとめられないとばらけてしまうので、そこが大変さでもあり、面白さでもあるなぁと日々感じています。

Webtoonは分業制で活躍することができる

従来の週刊連載を行う横読み漫画では、漫画家1人に対する負担が大きく、「働き方改革」でいわれるような理想的な働き方が難しい印象がありました。一方、ソラジマのWebtoonで採用されている分業制では、個々人の得意分野でスキルを発揮でき、高いクオリティの作品を持続可能的な負担の少ない労働で提供できるメリットがあります。

ソラジマでは、各担当で以下のようなフローを辿っています。

※社内審査通過等により、さらに原稿料が増額する場合がございます。

原稿料やロイヤリティが明確なのは有り難いですね。

志賀:これ1本でという方も居ますし、本業をしながら副業としてやられている方も居ますし、フリーランスで同種の仕事を掛け持っているという方もいらっしゃいます。それぞれの得意分野で、色々な方のライフスタイルにそった働き方ができるのがメリットかなと思います。

肌:線画の方や着彩の方、そして背景の方や仕上げの方と、最高のクリエイター様方が、毎回本当に素晴らしいクオリティで仕上げて下さっているんです。公開前に完成原稿は一応見せてもらうんですが、自分はあくまでも原作を書くことが専門なので、絵や色のことについては基本的に口を出さないように心がけていますが、毎回、言わずとも仕上がりが綺麗で感動します。何より志賀さんのことを信頼しているので、志賀さんがOKと言っているなら大丈夫だろうと、安心してお任せしています。

おふたりの信頼関係は厚いようですね!相性の良さが作品の面白さにつながっているのでしょうか。

肌:というか、志賀さんが、とっても褒め上手なんですよね。

志賀:毎回良い物が出てくるから勝手に口が動いちゃうんです(笑) 

普段は、お仕事以外でも連絡を取り合ったり遊びに行ったりするんでしょうか?

志賀:毎日LINEはしてますね。ほぼほぼ業務のことなんですけど、時折雑談とかも交えながら

肌:お互い一番楽しい話が仕事の話なんですよね。でも先日、志賀さんが別の本のサイン会でわざわざ金沢まで来てくれて、それは嬉しかったですね。

志賀:一緒に金沢巡りして、名物とか名所とか案内して貰って、すっごく楽しい時間でした!

肌:次はディズニーランドに一緒に行く予定です!でも、「あの衣装参考になりそう!」とか、結局、仕事の話をしていることが予想されますけど(笑)

人気作品は、SNSやPV制作も!クロスメディアの役割

『傷だらけ~』は累計7億Viewを突破する人気作となったことから、SNSなどでも様々なメディアで宣伝・紹介されています。

『傷だらけ~』では、X(旧:twitter)の公式アカウントなどのSNS展開をはじめ、イメージソング『花言葉』のリリースや、主人公たちが現代の高校生に転生した世界観を描いたオリジナルストーリーのミュージックビデオなども制作されました。

ソラジマでこうした二次展開を担う「クロスメディア」担当者によると、『傷だらけ~』のようなキャラクター人気の高い作品は、漫画を越えた他ジャンルでも世界観を広げやすいそうです。
展開の狙いとしては主に、以下になります。

 ①様々なアプローチでファンを増やす

           ↓

 ②ファンに深く作品を楽しんでもらう

           ↓

 ③ファンの高い熱量を伝染させ、新規層に届ける

このような循環を意識して施策を立てているといいます。

今作品でも、「ファンの皆さんの高い熱量が伝播して、作品をより広く遠くまで届けてくれることを期待しています」と担当者。
今後については「縦画面で展開していくtiktokとの相性もよいと思いますので、まだまだ開拓の余地があるのでは」と話してくれました。さらなる展開についても、期待が寄せられます。

大々的なMVを見て、びっくりしました。ソラジマで活動していて良いなと感じる点はありますか?

肌:大きいことや、夢みたいなことをいっても、誰もバカにしない。いろいろな表現に挑戦させてくれるところですね。新しいことに前向きでアグレッシブな社風があって「こういうことをやってみたい」という提案を遠慮無くできる。普通なら、プロモーションの展開などに作家側は意見しづらいと思うんですけど、思いついたら何でも言えるところがあり難いですね。新しいプロジェクトを打ってもらった時には、どういう文言で紹介するかも、志賀さんと深く相談しますね。

最後に、今後のおふたりの目標について教えて下さい。

志賀:たくさんの人の心にちゃんと届く作品を作っていきたいですね。

肌:実は、次の作品もめちゃくちゃ動いてます……!遠くない未来に、お届けできるのではないかと!(笑)

志賀:昨日も、そのことで夜中の12時から朝の4時まで語り合っちゃって……

肌:ふふふ(笑)。『傷だらけ~』も最終章ではあるので、ここから伏線回収でたたみかけていく展開を楽しんでもらえれば。まだまだ読者さまに楽しんでもらえる企画も動いていますので、期待して待っていて下さい!あとこれは願望なんですけど、アニメは見てみたいですよね……!

ありがとうございました!一読者として、今後の展開を楽しみにしています!

この記事をシェア

facebookhatena bookmark

公式SNSをフォロー

instagram