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第五編集部

2026.05.28

【覚悟の編集方針】心の火種が燃え上がるような作品を。

eye catch

第五編集部の編集部メンバーはどう過ごし、何を考えてきたのか。2027年春のリリースに向けて、明確な意志を持ったブランドとして動き始めた今、何を思うのか。その裏にある少年漫画にかける思いを聞きました。

こんにちは!SORAJIMAの広報担当です。
SORAJIMAは、「今世紀を代表するコンテンツを創る。」をミッションに掲げる漫画出版社です。

2025年11月、私たちは「オリジナルの縦読み×少年マンガ」という旗を掲げました。「少年マンガを、本当に少年に届けるためには何が必要か」を突き詰め、編集方針を策定し、「全話初回無料」「全作同日更新」という挑戦を行うことを決めました。

ソラジマ、すべてを懸けた挑戦。オリジナルの少年マンガ×縦読みに特化した漫画アプリを2027年春に発表予定。

あの日から今日まで、編集部メンバーはどう過ごし、何を考えてきたのか。2027年春のリリースに向けて、明確な意志を持ったブランドとして動き始めた今、何を思うのか。その裏にある少年漫画にかける思いを聞きました。


「少年マンガを、少年に」その理想を現実に変えるために、編集部がこの期間に積み上げてきたこと

──2026年1月に「オリジナルの少年マンガ×縦読みに特化した漫画アプリをリリース」することを発表されました。その後、どのような反応がありましたか?

前田:僕たちが本当に届けたかった人たちに、ちゃんと届いている。そう実感しています。今回、少年漫画をやるにあたって、中高生に届けるための手段の一つとして「縦読み」の形式を選んでいるという考えを発信しました。

【前田 儒郎 (まえだ じゅろう)】

例えば、エンタメ業界の方からは「なるほど、だから縦読みなんですね」と声をかけてもらったり、他社の現役の少年マンガ編集者の方からも「あのリリース見ました、気になってたんです」と言ってもらえたり。

「少年漫画」という言葉は定義が広く、すでに多くの強豪プレイヤーがいるので、単に「少年漫画をやります」と言うだけでは、特段メッセージは感じられないと思うんです。

ただ本当に中高生の生活に、人生に、深く刺さるような少年漫画を、自分たちの漫画アプリを通じて届けることには相当難しい。それを僕たちが本当にやろうとしていることが伝わっているからこそ、驚きを持って受け止められたんだと思います。

──リリースを発表してから今まで、理想を形にするために、現場ではどのような時間を過ごされていたのでしょうか。

前田:僕は「編集方針の策定」に注力していました。併せて編集部の名前(※)を決めることにも時間をかけましたし、並行して編集者の採用も進めてきました。
さらに原稿料の設定や、コンテストやプロモーションの予算規模や時期の検討、そして連載会議をどういう形で行っていくかなど編集組織としての体制構築を行ってきました。
※編集部名は6月頃発表予定。

あと、もう一つ行ったのは「なぜ縦読みなのか」を本気で言語化したこと。SORAJIMAはこれまで縦読みの実績を積み上げてきましたが、この新編集部にはこれまで以上に大きな予算を投下する予定のため、縦読みを選ばずに既存の市場規模が大きい横読みを選ぶという判断もあり得ました。

そこで、チームメンバーと本当に徹底的に対話する機会があり、そのおかげで一つの答えに辿り着きました。それは、縦読みは画圧が強く手軽に楽しめる形式だからこそ、一度漫画から離れてしまった中高生にも、もう一度届く可能性があるということです。

これを言語化できたことで、自分の中での「編集部の勝利のイメージ」が強まりました。例えば、数年後に自分たちの作品がヒットしているとき、中高生がどう楽しんでいるのか。

その光景が、はっきりと目に浮かぶようになって。「これ読んだ?」と言い合いながら、スマホをスクロールし合っている中高生の姿。そんな日常のワンシーンを、自分たちの漫画で作れるという確信が持てた。それも大きな収穫だったと思います。

©SORAJIMA

尾屋:私は編集方針や編集部の名前を決める作業を進めながら、私たちの想いに共感し、力を貸してくださる作家さんを探していました。

この編集部の熱量を、どれだけ伝播させられるか?という点はかなり意識して動いてきました。そのためにもまずは自分が、誰よりも熱量を持っている必要があると考えています。

【尾屋 葵 (おや あおい】

石川:僕も編集方針や名前決めに携わりながら、作家さんへのお声がけを進めてきました。
あとこの数ヶ月はずっと、この編集部を通じて、自分はもっと進化しなきゃいけないと葛藤しています。今、これまでの人生で一番、自分自身と向き合っている感覚があります。

【石川 卓実 (いしかわ たくま)】

──編集部内で議論を繰り返す中で、ふと「今の少年たちの生の声」が気にかかった瞬間もあったのではないでしょうか。実際に、現役の中高生とお話しされる機会はあったんですか?

前田:ありました。特に、職場訪問でソラジマに来てくれた中学生と話したことが記憶に残っています。実際に話してみると、彼らが将来のことを真剣に考え始めていたり、まさに「子どもから大人へ」と変わりゆく過渡期にいたりすることを感じたんです。

職場訪問でソラジマに来てくれた中学生と交流の様子

それに印象的だったのは、彼らが「友達に常に気配りをしていること」。何かを発言するにしても、必ず周りを確認してから言葉を出す。そんな彼らの姿を間近で見て、中高生に深く刺さる漫画にするためには、単に面白いだけでなく「友達と共有し合えるもの」でなければならないという気づきがありました。

尾屋:中学生は多くの制限の中で生きているんだなと感じました。YouTubeの使用制限があったり、利用できる時間帯が決まっていたり、お小遣いの中でやり繰りをしたり…。

そうした制約がある中で、彼らが「何を」楽しむか。真っ先に選ばれるのが私たちの漫画アプリになったら嬉しいなと思ったんです。そのためにも、アプリでは作品を読み始めるまでの「カロリー」を徹底的に減らすことを意識していきたいと考えています。

「何を読もうか」と探す手間を省けないかなと。例えばキャラクターの顔が次々と目に飛び込んできて、気になった顔をタッチすればすぐに読み始められる。そんなTikTokのような手軽な導線の漫画アプリがあってもいいかもしれないですね。

まだまだ構想段階ですが、UI(ユーザーインターフェース)の観点からも、もっと中高生に寄り添った選択肢を提示する。それも、私たちが背負うべき責任なんだと感じ、改めて身が引き締まる思いでした。

石川:僕が感じたのは、想像以上に、彼らが人間関係への関心を持っていることでした。グループの中での自分の立ち位置を認識していたり、友達がどう思っているかに気を使ったり、色んなことをすごく繊細に受け止めているんです。

でも直面している問題を解決するリソースや、自分の中にある負の感情との向き合う術をまだもってない子も多い。
だからこそ、漫画を通して友達の良さを感じたり、寂しさを抱えた誰かが活躍する姿に自分を重ねたり、ヒーローに憧れたりする子も少なくないのではと思いました。

実は僕自身は、中高生の頃に孤立していたことがあって。その時は周りに味方なんて一人もいないと思っていたんです。でも、そんな僕を支えてくれたのが漫画でした。少年漫画を少年に届けられる可能性を感じて熱くなりましたね。

少年の中にある「火種」を、マンガで燃え上がらせる。それが私たちの編集方針

──今回決まった、編集方針に関して改めてご説明をお願いします。

少年漫画を、少年に届ける。

前田:この編集方針は、僕たちの編集部や漫画を通じて、どのような感情をもって、そしてその瞬間を届けたいのかを言葉にしたものです。

一見シンプルに見えるかもしれませんが、そこには少年の心に宿る「火種」が燃え上がる瞬間を、編集部と作品で後押ししたいという願いを込めています。

僕たち自身にも少年時代があり、様々な出来事を経験してきました。そんな時期に読んだ漫画のワンシーンが、今でも自分の人生を動かし続けているという感覚が、僕たちの中には強く残っています。

中学1年生から高校3年生までの時間は、日数にすればわずか2,000日ほど。しかし、そのうちのたった1日であっても、漫画のワンシーンは人生を決定づけるほどの大きな力を持ち得ます

僕自身、そうした作品に出会えたことを幸運に思っていますし、だからこそ限られた大切な時間に漫画を届けたいと考え、この思想を形にしました。 この編集方針におけるキーワードの一つが、「火種」です。

火種とは、まだ激しく燃え上がってはいないものの、決して何も無いわけではない、動力の最小単位のようなイメージです。当初、僕たちはその火種を自分たちが持ち、少年に配る立場にあると考えていました。

でも、自分たちは決してそのような存在じゃないと思ったんです。「火種」は、中高生自身がすでに心の中に持っているものです。だから僕たちにできることは、その小さな火種に何かを届け、大きく燃え上がるきっかけを作ること。そんな考えに至りました。

さらに、この「火種」は誰もが必ず持っているものだとも思っていて。だからこそ、どんな作品を作りたいのか、どんな編集部でありたいのかを、みんなが鮮明にイメージできる編集方針になったと感じています。

──この編集方針を、尾屋さんや石川さんはどのように受け止めていますか?

尾屋:まず編集方針を決めたことで、私たちの活動における真の主役は「少年」であると明確化されたことは、すごく良かったと思っています。

編集方針の設計にはさまざまなアプローチがありますが、今回私たちは「誰に届けたいか?」を軸にした編集方針を掲げる道を選びました。だからこそ大切にしたい価値観とも合っていますし、何より読み返すたびにやる気が湧いてくる。この編集方針はしっかりと自分に腹落ちしていると感じています。

石川:今回の編集方針は、立ち上げメンバーである3人がそれぞれの原体験や価値観をさらけ出し、本気で話し合った末に、全員が心から納得できる場所を見つけられたことにも大きな意味があると感じています。

僕自身の原体験は、子どもの時からずっと側に漫画があったこと。共働きの両親に預けられた祖父母の家で、一人きりで過ごす時間が長かったこともあり、ずっと寂しかったんです。漫画はいつでもそこにあり、僕の「寂しさ」を「楽しさ」へと塗り替えてくれたという印象があって。

本当に辛い時に寄り添ってくれたのは漫画で、自分の人生を肯定する自信をくれたのも漫画でした。このような僕の体験や漫画に対する思いも、今回の編集方針の根底にも流れていると思います。

──では、実際に編集方針が固まるまでにどれほどの時間をかけ、どのようなプロセスを経てきたのでしょうか?

前田:編集方針が固まるまでには、全体で4ヶ月ほどの期間を要しました。その過程で、まずは僕が最初の案をまとめる役割を担い、2週間ほど集中的に時間をかけて文章を作りました。

それで完成したかと思いきや、その後、編集部名を決定していくプロセスにおいて、その名称に引っ張られる形で編集方針もアップデートする必要が生じ、その作業にさらに3週間ほどを費やしたりしました。

当時は、本当に出口が見えず苦しかったです。まとまらないし、決まらない。いつか必ず答えに辿り着けると保証されているのなら楽しめたのかもしれませんが、正解が見つからないかもしれないという不安の中での進行だったからです。

それでも3人全員が、心の底から納得することにこだわりました。 僕の意見だけが暴走してしまえば、絶対に良いものは生まれません。立ち上げメンバーが本気でぶつかり合ってこそ、真に価値のあるものができあがると信じていました。

というのも、ソラジマ自体、萩原と共同創業している会社なので、片方が暴走して片方が腹落ちしていないと何事も絶対にうまく行かないことを知っていたからです。

その体験もあって、立ち上げメンバーの石川くんと尾屋さんが本当に腹落ちして自分の言葉で言い切れなければ、仲間を誘うことも、成功に導くこともできないと知っていました。

だからこそこの二人を真の創設メンバーとして尊重し、全員が「この方針なら本気で作品を作れるし、作家さんにも自信を持って語れる」と思えるフェーズに至るまで話し合おうと思っていましたね。

石川:絶えず考え続けなければならない日々は、正直に言って過酷でした。でもやっぱりこれだよねと全員の意見が合った瞬間のワクワク感は、今でも忘れられません。 覚えているのは、「少年たちの心に何を届けるか」を話していた時のこと。

ある漫画のシーンを見たときに「心がぐわっと動く」という実感を共有し、その「ぐわっ」とする正体は何なのか、自分たちの現実の人生にそんな瞬間はあったのかと、一人ひとりの感情を深く掘り下げていきました。

それらを一つずつ言語化し、どう届けていくべきかという具体的な形が見えてくるにつれて、メンバー全員の表情が目に見えて変わっていくのを感じました

「少年時代みんなこういう瞬間に憧れたよね」「あのシーンは本当に良かったよね」と語り合う中で、3人が目指すべき場所が少しずつ重なっていく。その過程は、まさに一つの作品を作り上げるような感覚で、編集部の立ち上げという貴重な経験を積ませてもらったと思っています。

尾屋:編集方針や名前を決めるまでは、少し不安がありました。しかし、この3人で一言一句に至るまで徹底的に練り上げていくうちに、自分の中に自信が芽生えてきたんです。

実際にその内容を社内へ発表したところ、良い反応をもらうことができました。例えば、「火種は少年にあるという考え方が大きな起点になりそう」といった意見です。

あくまで火種は少年の中にあり、私たちはそれを燃やすきっかけに過ぎない。そうした編集部の想いが、編集方針と名前を通じて、誤解なく正しく伝わったことに安心しました。

こうした編集方針の策定に携わったの初めての経験でしたが、これらを通して学んだのは、妥協せずに自分たちの意志を凝縮させることの大切さです。人の念や強い想いを込めて作り上げれば、それはちゃんと相手に届き、揺らがないものになる。今はそう思っています。

4つの試みに共通するのは、何よりも「少年に届けたい」という切実な願い

──今回は、編集方針に加えて「4つの試み」に関しても新たな発表がありました。こちらに関しても詳しく教えてください。

前田:4つの試みに共通しているのは、何よりも「少年に届けたい」という切実な願いです。

まず、全話初回無料で公開するのは、お小遣いの額に左右されず、誰もが物語に触れられるようにするため。次に、全作品を特定の曜日に一斉更新するのは、学校で友達と共通の話題で盛り上がるきっかけを作りたいから。

そして、あえて縦読み形式を選ぶのは、漫画から離れてしまった中高生たちに、もう一度漫画に、手軽に、簡単に、触れてほしいから。そんな想いからこれらの挑戦を決断しました

業界の常識に照らせば、これらは大きなチャレンジに見えるかもしれません。真っ先に「どうやって収益を上げるのか」という疑問が浮かぶはずです。

そこへ、全話初回無料という「稼ぐこと」と逆行するかのようなモデルを導入し、さらにリテンション率(継続率)を重視するスマホビジネスの定石を無視して、週一回の最新話一斉更新に踏み切ろうとしています

もちろん、この道が平坦だとは思いません。とんでもない資金と時間が必要になるという条件付きです。それでもこのチャレンジをやり抜くと決めた背景には、確固たる覚悟があります

会社の代表として、今世紀を代表するコンテンツを生み出し、大きな夢を叶えられる存在であることで、人々に夢を与えたい。その可能性がわずかでもあるならば、挑まない手はない。

もしここで守りに入れば、僕たちの存在意義そのものが失われてしまうかもしれないとすら思います。 国や世代を超えて愛される「少年漫画」という裾野の広いジャンルに全力を投下し、単発の作品ではなく、一つの場所をアプリの中に作り上げる。それが、僕たちの叶えたいことです。

2027年春、少年漫画の新たな時代を作りにいく。その挑戦を、一緒に始めたい

──編集方針や「4つの試み」など、編集部の輪郭が少しずつ見えてきた今、それぞれが現在注力していること、そして今後より重要になってくるポイントは何でしょうか?

石川:僕が今、最も注力しているのは「この人と描きたい!と思える編集になれるか」です。兎にも角にも心に響くような力強い作品を世に送り出すためには、やはり作家さんの存在が不可欠です。

だからこそ、作家さんが一緒に作品を作りたいと思える編集になって、多くの作家さんと作品を作れるように精進してます。私は第五編集部で自分の命を燃やし尽くすほどの覚悟で、この編集部に向き合います。この「少年漫画を少年に届ける」という挑戦に共感し、共に命を燃やして走ってくれる作家さんが集まってくれることを願っています。

尾屋:注力しているのは、この編集部の熱をより広く伝播させることです。やはり少年に届けていくためには、読者さんや作家さん含め、多くの人の応援や協力が必要だと考えています。

だからこそ、まずは私たちが編集部として何を伝えたいのか?読者さんからは何を期待されているのか?を突き詰め、伝えていくことが今後の編集部にとっても重要になってくるのかなと思っています。

一つだけ確信を持って言えることは、これから私たちが下す全ての意思決定はすべて「少年に届けるため」に本気で考え抜いた結果です。それをあらゆる形で発信し、作家さんや読者さんからの期待値を高めていきたいと思います。

前田:僕は2つあると考えています。
一つは、「理想を形にするための、新しい作品や作家さんとの出会い」です。その具体的な第一歩として、近々マンガコンテストを開催します。現在、世の中には数多くの編集部があり、ありとあらゆるコンテストが開催されています。

その中で、僕たちがコンテストを行う意義は何なのか。その答えを研ぎ澄ませ、僕たちの志を体現するような賞金や特典の設計にしたいと考えています。

また、これまで「言葉」で語ってきた思想を、初めて具体的な「作品」という形に落とし込んでいく公の場でもあります。このコンテストのあり方次第で、僕たちの理想が単なる綺麗事に終わりかねません。

だからこそ、一過性のイベントではなく、僕たちの切実な願いを込めたメッセージとして実施する覚悟です。

もう一つは、アプリの開発です。「少年に届けるためには、どのようなアプリが求められているのか」を、既存の枠組みに捉われず考え抜きたいと思っています。

すでに漫画アプリは世に出尽くしていると思いますが、僕たちはいわゆる一般的な漫画アプリを作ろうというわけではなく、「少年に届けるための、少年漫画アプリ」を作るつもりです。

だから、今の中高生に支持されている他のサービスやアプリがどのような体験を提供しているのかを研究し、彼らの感性に響くインターフェースやユーザー体験を作っていきたいと考えています。

代表として会社の命運を懸ける覚悟も、編集長として少年の心にある「火種」を燃やしたいという情熱も、僕にとっては地続きの大事な想いです。この挑戦の先に、どんな結果が待っているのか。僕たちと一緒に、少年マンガの新しい歴史を作ってくれる仲間を待っています。

少年漫画を、少年に届ける。

中途_第五編集部


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