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2024.03.24
(後半)【独占取材】『シンデレラ・コンプレックス』主要キャストの4人にインタビュー!Webtoonのテンポ感や描写とリアルのすり合わせが演技の肝
2024年2月29日より、MBSドラマ特区で放送がスタートした『シンデレラ・コンプレックス』。
今回は、不倫によって教師夫婦を追い詰めていく地雷系JK・前園由良役の田中美久さん、学校の人気者教師で由良との不倫に溺れていく相沢陽介役の飯島寛騎さん、謎多き同級生・工藤要役の森愁斗さん、悲劇に巻き込まれていく陽介の妻・相沢舞役の宇垣美里さん、この4人に、作品や原作に対しての印象やWebtoon作品を演じるにおいて意識したことなどを、担当編集者の澤田夢花さんとともにお聞きしました。
目次
キャスト皆が「挑戦」と感じたオファー
皆さん、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、今回『シンデレラ・コンプレックス』のオファーがきて、実際に作品を読んだときの率直な感想をお聞かせください。
田中美久さん(以下、田中)「私はHKT48卒業後初のドラマ出演、しかも初主演で、こんなに過激な役をやって大丈夫かな? という心配がありましたね。しかし、由良のような役はこの作品が最初で最後になるかもしれないとも感じて、思い切りやろう! という気持ちで頑張らせていただきました。もともとアイドルという仕事をやっていたので、ファンの方々の反応がどうなるだろうという不安もあったのですが、お仕事としての頑張りをファンの方々は見てくださっていて、"頑張ったね"という声が多く安心しました」
澤田夢花さん(以下、澤田)「実は、『シンデレラ・コンプレックス』の内容や描写が過激なので、キャストに関しては決定まで難航するかもしれないと言われていました。この役をやってくれる人は少ないだろうということで……。
しかし、そんな中で田中さんが引き受けてくださったと耳にして"アイドルなのにいいの!?"という驚きと、こんなに覚悟ある決断をしてくださって感謝を抱くばかりです」
飯島寛騎さん(以下、飯島)「僕自身が今まで生徒役を演じることが多かったので、今回お話をいただいたときは"ついに教師役がきたか"と思いました。と、思っていたらこの陽介のぶっ壊れ具合が……(笑)
ただ、自分が今まで演じてきたキャラクターにはないような役柄だったので、いい意味で挑戦になっています。
一方で、陽介は“人間の欲望の塊”みたいな人間だと感じて、かなり人間らしい人間なんじゃないか、とも思いましたね」
森さんはいかがですか? 他のキャラクターに比べても、“秘めた異常性”のようなものを持ったキャラクターの工藤要ですが……。
森愁斗さん(以下、森)「僕はマネージャーさんに"もっといろんな役をやってみたい"ということを言っていて、その矢先に巡り会えた役だったので、個人的にすごく楽しみです。
僕自身はもとはアーティストで、役者をやり始めて時間も経っていないですし、"いかに森愁斗を殺せるか"という役者としての成長にはピッタリな役だと感じました」
宇垣美里さん(以下、宇垣)「私は、この『シンデレラ・コンプレックス』の良さや特徴が、実写にどう反映されるのかという部分が純粋に気になりました。
この漫画は非常に描写が過激で、現実がデフォルメされて描かれています。そして展開が早いですよね。漫画として読むには非常に読みやすいし、そういった要素に惹かれる人も多いのだと思いますが、実際に人間が実写で30分かけて演じるとなるとどうなるのだろう、と。
私が演じる舞に対しては、観ている人が一番自分を投影しやすそうなキャラクターというのもあって、少しMCのような要素がある役だなという印象を抱きました」
宇垣さんは俳優であると同時にアナウンサーでもありますが、そういったお仕事が活かされている部分はありますか?
宇垣「私の経験が活かされているかは、わからないですね。ただ、周囲を俯瞰して見る、周囲から投げられたボールを……まあ、投げられるというより“ぶつけられる”という表現が正しいかもしれませんが(笑)それを受けてまとめていくという点では司会などのお仕事と近い部分があるかもしれないですね」
田中「アナウンサーのお仕事といえば……宇垣さん演じる舞先生の授業を受けるシーンがあったのですが、発音がとにかく聞き取りやすくて、実際にこんな先生だったらめっちゃ嬉しいな、と思いながら見ていました」
飯島「僕も頑張ったんですけど、生徒には響かなかったですかね?」
田中「……はい(笑)」
自分とキャラクターの距離感に戸惑いも
ドラマの雰囲気とは違う、皆さんの仲の良い雰囲気が伝わります! それでは、本作で演じるにあたって、難しさを感じた部分や気をつけていた部分はありますか?
宇垣「演じづらい、というか周囲の人間からやられっぱなしの舞と、私の間に距離があったというのはありますね。いかんせん、私は心が強いほうなので……。
彼女の心の動きを考えていくことで“共感はできないけれど理解はできる”という状態になり、大好きなキャラクターになりましたが、最初のとっかかりとしては難しい印象がありました。
舞の思考回路や行動を考える中で、彼女は一番普通っぽいキャラクターではあるのですが、彼女があまりにもかわいそうな状況に陥ってしまったのは“さまざまな選択を誰かに丸投げしていた結果”という部分もあると感じました。そういう部分でいえば、いわゆる普通とは若干ズレたところがあるキャラクターなのかもしれませんね」
飯島「普通、という話が出ましたが、普通っぽい舞だけではなく、強烈なキャラクターである由良や陽介にもそれぞれが持っている“普通”があるんですよね。ただ、彼の“普通”を考えようとしてもわからない部分があるので、基本的には変に考えすぎずに感じたことをそのまま芝居に出すように心がけていました。
あと、彼は嘘をつくシーンが非常に多いんですよね。舞や由良に対して、"嘘っぽくない嘘をどうリアルにつけるか"というところは、そのあとのつなぎの芝居も含めて非常に難しかったです」
森「僕も、あまり作り込んでいかないようにしていました。もちろん、シーンの内容などを見てある程度想像していきますが、作り込みすぎてしまうとその場ですぐに対応できないデメリットがあるので。逆に、撮影の合間に監督さんと話したりして一緒に作り上げているような楽しさがありましたね」
田中「由良は相手に対してグイグイいくキャラクターですし、サイコパスな部分もあります。これまでこういったキャラクターを演じたことがないですし、自分の中にない要素もあって、"何が正しいのかわからない"というところに一番苦戦しました。あとは、由良のインパクトをなくさないようにすることに気をつけていましたね。あまりに自然に演じてしまうと、由良の良さを消してしまうと思ったので。監督さんや皆さんにたくさんアドバイスをいただいて、最終的にはちゃんと由良になることができたと思います。周りの方々に支えられました」
飯島「生き生きしていましたよ。遠くで眺めているのがちょうどいいくらいに怖かった」
宇垣「うん、怖かった(笑)」
澤田「メインビジュアルなどの画像で見るのとはまた一味違いますよね。実際に皆さんが演じている映像で拝見すると、皆さんあまりのハマり役で驚きました」
Webtoon作品の疾走感と現実をチューニングする演技とは
横読みの漫画とWebtoonでは演じやすさや内容のインプットのしやすさに違いはあるのでしょうか?
飯島「僕はあまりWebtoonだから、縦読みだから、という部分は気にしていなかったです。縦読み漫画は結構面白い空白が多いですよね。そこで"次はどうなるんだろう?"と考えながら見れるなと思いました。
ただ、そこまで違いや違和感などは感じていなかった、というのが正直なところです」
演じるということに関しては、あまり原作がどのような形式かは影響しないのですね。
宇垣「そうですね。どちらかといえばWebtoonかどうかではなく、この作品の魅力である、展開の早さや描写の過剰さを実写でどう表現してチューニングしていくか、というところに違いがあるかもしれないですね。
生身の人間が原作のまま演じると、どうしても浮いてしまう部分が出てくるので」
飯島「たしかに、原作ならではの重要なセリフなどはありつつも、"実際、人間同士がコミュニケーションを取るとなったらこうはならないよね"という部分は、どうしても漫画が原作の作品には存在しますよね」
漫画が原作の作品の中にリアルさを追求する、という面で田中さんがこだわった部分はありますか?
田中「私は、衣装のリアルさにもこだわりました。衣装合わせで用意してくださったお洋服が原作通り地雷系ばかりだったのですが、今観てくれている若い子たちに刺さる衣装はどれかな? というのをものすごくこだわって考えましたね」
森「僕も、観てくれている人が、すっと自分の中に落とし込めるようにしよう、ということは考えていました。やはり過激なシーンが多いので、そこを少しリアルに近づけてマイルドにチューニングしていたところがあります。僕たちの演じやすさも変わってくるので、監督さんや皆さんと話し合いながら調整していましたね」
キャストの新たな一面に出会える『シンデレラ・コンプレックス』
最後に、『シンデレラ・コンプレックス』を観てくださる視聴者の方々に伝えたいことをお願いします。
田中「由良は自分の思い通りに物事が動くように、ものすごく計算している子なんですよね。そんな由良が作り出すシチュエーションを、一緒にハラハラしながら観ていただきたいなと思います」
飯島「陽介は“悪い奴”ではあるのですが、作品全体としてはスリル感やそれぞれが抱えている欲望などが、刺激的で美しく描かれています。キャラクターが持つ感情や欲望などを、さまざまな視点に立って感じて、楽しんでいただければと思います」
宇垣「現実離れはしているけれど、もしかしたらあり得るのかも? という絶妙なリアル具合が観ていてゾクゾクする作品です。次々降りかかる災難の中で、少しずつ変わっていく舞の様子にも注目して、心打たれてもらえればなと思っています」
森「おそらく皆さん、普段はなかなか演じることがないキャラクターを演じていると思います。普段見られない表情や新たな一面を、『シンデレラ・コンプレックス』のキャラクターを通して見ることができると思うので、ぜひ細かいところまでじっくり見ていただけたら嬉しいです」
皆さん、ありがとうございました。
一同「ありがとうございました」
キャラクターそれぞれが抱える、欲望や思惑の絡まり合いが見どころの『シンデレラ・コンプレックス』。
キャストの皆さんからは、過激な描写やテンポ感などWebtoon『シンデレラ・コンプレックス』ならではの良さと、視聴者が求めるリアルを融合させて作品に消化させようという役者魂が感じられました。
MBSドラマ特区『シンデレラ・コンプレックス』は、2024年2月29日放送開始しました。キャストの皆さんの“挑戦的”な演技、ぜひご覧ください。
おわりに
ソラジマでは「最高の編集者」と「最高のクリエイターさん」がともに作品を創っていくことが今世紀を代表するコンテンツに繋がると信じています。
最高の編集者と最高のクリエイターさんにソラジマを選んで頂くために、私たちは最高の成長環境を提供していきたいとおもっています。
ソラジマでは編集者だけでなくビジネス職種、コーポレートスタッフ含め、マンガ制作にアツい気持ちを持って取り組んでいます。
「誰もがバカにする大きな夢を叶えて見せるー。」「今世紀を代表するコンテンツを創る」というメッセージに共感した方と働ける日を楽しみにしています!
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