カルチャー・制度
2023.11.01
【これができないと優秀じゃない】アンラーニングの重要性とは?
起業4年目にして爆速で進み続けるソラジマ。今回は共同代表の萩原・前田の2人に、「アンラーニング」—あなたが優秀かどうかを左右する考え方について語ってもらいました!
ソラジマで働きたいという人はもちろん、ビジネススキルとしてどんな場面でも活用できるので「適応力を高めて柔軟に業務をこなせる人になりたい!」という人はぜひ読んでみてくださいね。
萩原 鼓十郎
株式会社ソラジマ 代表取締役Co-CEO
早稲田大学卒業後、三菱商事入社。 2017年にはヒマラヤの未踏峰に世界初登頂。 2019年株式会社ソラジマ創業。
前田 儒郎
株式会社ソラジマ 代表取締役Co-CEO
1992年生まれ。早稲田大学教育学部、ソルボンヌ大学大学院文化地理学科卒業。 2017-2019年、日本食チェーン店のフランス事業開発責任者を経て、株式会社ソラジマを創業。 大都市パリで過ごした3年間、日本の武器は「エンタメ」だと確信しました。
前田:今日は「アンラーニングの重要性」という話をしていきたいです。
アンラーニングとは何かを説明するんじゃなくてアンラーニングがどれだけ重要かっていうのを説明すべきだなと思って。今回話したいなと思っています。
萩原:お願いします。
前田:一言で言うと「前にいた環境での成功体験とか失敗体験とかノウハウを全部消した上で新しい環境で成功体験を作っていく」
アンラーニング
「学習棄却」と呼ばれ、これまで学んできた知識を捨て、新しい環境で学び直すこと
よく言われるのは大手企業からベンチャーに転職してきましたっていうと
承認を得てからやろうとしてしまって次に進めない。スピードが遅いですという。
大手のやり方はアンラーニングしないとベンチャーのスピードについていけない。萩原もそういう体験があったんだよね?
萩原:ありましたね。
例えば大手は「これはやっちゃいけない」のほうがが多いから、
いかにミスをしないか、怒られないかを考えがち。
逆にベンチャーはなんも何も決まってない。けど、なんかやんなきゃいけない。全然ルールが違う。
前田:大手にいたときから、ベンチャーに転職した時にそう言われたんだよね。
萩原:はい。
前田:先輩の経営者に教わったのは
「優秀な人=適応力が高い」んです。
つまりアンラーニング力が強い人。
優秀な人=適応力が高い→アンラーニング力が高い
優秀な人ってスキルがある人じゃない。新しい環境に入った時にその環境に適応して成果を出していく人が優秀なんです、と言われて。なるほど、優秀な人をそう定義するんだなと思って。
例えば留学で日本からアメリカに来ましたとなったとき、環境が変わる。
全てのルールが変わって、日本ではこうしてたけどアメリカではこうですと。コミュニケーションの仕方でも、アメリカの方が遠慮しなさそうじゃない?
「日本ではこうだから、遠慮して話してました」とかって言ってても一生アメリカで出したい成果なんて出ない。
自分が「新しい国に来た」ということを理解して、それまでの全てを捨てろ、そうしないと成長しないよねっていう風に言われた。確かにと思ったんだよね。
萩原:そうなんだ。あと聞いたことあるのは「サッカー選手とか野球選手とかで、海外で活躍する人もスキルよりは適応力というかメンタルだよね」って言ってて、なるほどと思った。
企業の強い会社も環境に応じて変化できる会社。ダーウィンの進化論も多分そうだよね。
前田:「適応力=進化力」なんだ。
萩原:そうそうそう。だから(適応できるのが)個体として強いのは確かに多分そうだよね。世の中の真理というか。
前田:例えばすごい寒い時代がありました。氷河時代になりました。
寒さから身を守るために巨大な分厚い皮ができました。
進化して、「これで大丈夫!安心!」ってなってたら、隕石が落ちてきて、灼熱の時代が訪れました。
そんな時に、それまでの成功体験として「いやこの皮が大事なんだよな」「この皮は大事だから守っていかないと」っていうふうに、言い訳をつけて皮を捨てようとしない。
だけど普通に考えたら、熱いんだから皮は捨てたほうがいい。
これまでの先祖代々の進化を全部捨てたほうがいい!って、皮を捨てたやつが強いんだよね。進化する。
なんか他にあります?さっきのベンチャー転職時代以外の体験。
萩原:1つは、2人でやってた時は自分でそのいかに案件を取ってくるか、
案件を取るってことがゴールだった。
それが、チームになってくると次はなるべく自分が直接関与せずに
チームの人に成果を出してもらうためにどうするかって考えるのは「アンラーニング」というか、違う接し方をしないといけない。
前田:それまではずっと自分でチームにいたら、10人全員に対してこうしようとかフィードバックしていた。
そのあと、中間管理者が生まれてくると、その中間管理職の成長を信じて、あえてその下のメンバーたちに触れないであげることの方が組織として正しいとなったときに、「慣れない」「気持ち悪い」と思いながらも、でもやり方を変えるっていう。
萩原:それもアンラーニングに近い。
前田:会社経営ってアンラーニングの連続かもしれない。
萩原:そうなんですよね。
前田:例えばソラジマは、YouTubeアニメから、完全に事業転換してWebtoon事業部になりました。アンラーニングすることだらけだよね。
例えばYouTube時代に使ってた脚本シート。
最初それをベースに作ろうとするから上手いものが作れなくて。
「いやゼロから作れよ」という風に言ったりとか。
萩原:あと、ビジネス市況環境で、これまで景気がいいときは
「金をとにかく使ってでも成長!」みたいなのが、急にみんな手のひら返して「いや利益が大事」みたいなときもあって。
そういうのにも合わせていかなきゃいけないから、やっぱりアンラーニングは大事。
前田:そのためにやっぱりこう進化しきれない人って……。
俺、文化地理学を勉強してたんだけど、
面白いのが「なぜこの地域でワイン用のブドウを栽培してるのか」っていうのを研究した時に、結論「論理的理由はありません」と。「最初そこでブドウを植えたからです」と。
そこで先祖代でずっと増えてきたやつが今続けるだけであって、結果それはいい方に転んでいるんだけども。生産性とか重視するんであれば、アンラーニングして小麦に変えたほうがいいよね、みたいな。
確かに最初自分の先祖は種がブドウしかしなかったから、ブドウを作ってブドウで儲けてましたと。
だけどちょっと裕福なってきて選択肢が増えてきた中で、冷静に考えると、ここの気候はブドウにあってません。だから、「ブドウは全部捨てて小麦に変えたほうが利益率が上がる」。全部捨てなきゃいけないっていう。
「ブドウやり続けてきたからこそおいしいのできたよね」っていうのは……ビジネスにおいておそらくあんまないよね。
萩原:アンラーニングが必要だなこの人、って社員が増えてきた中で感じることはある?
前田:結構感じる。人によってアンラーニング力が違うとも感じるし。
萩原:なにがちがうのかな?これまでの経験なのかな?
1つはプライドがある気がしている。プライドが高いかどうか。
これまでこうやって成功してきたというイケてる自分像がある。
「イケてる自分像」を伸ばしていこうとするんだよね。
だけどそうする結果なんか狭い成長しかできない。
だから分厚い皮ですよ。いかに分厚くしていくかっていうことを、灼熱の時代になってもやってるわけよ。
でも最初からやっぱプライドがなくて、「むしろ教わりに来ました!」という人はやっぱり強い。
萩原:確かにプライドであり、今の自分の持ってる手札でしか勝負しないみたいな感じなのかな?
勝つために必要な手札を揃えに行くほうがいい。
前田:新入社員だと思って、全部学ぶ。
何かできてない人は、どっかそこまでの成功体験をベースにちょっとかっこつけるところがあるかなと思う。
萩原:俺が言われたのは、「学び直すんじゃなくて、学び直す前にまず全てを捨てるんです」と。
「アンラーニングしないと、並び直しても結局その土台・前提が変わらないと、あんま変わんないよ」って。
このまさに「捨てる」「アンラーニング」が大事。
前田:キャリアがない学生とかはすぐ適応する。
だとしても、それで1回ラーニングしちゃったら、学生といえどアンラーニングできるかできないかはまた分かれてくる。
萩原:今日の話は、その社長が言ってたのは、優秀か否かは適応力があるかどうか。
前田:そう。衝撃だったけど、アンラーニングは大事ですよ、じゃなくて「優秀な人=アンランニング力が強い人」っていうね。
その社長に言わせれば、アンラーニング力がなければあなた優秀じゃありませんって言い切ってるから。なるほどそこまで言い切るんだ、と思って。
もちろん、もう出来上がってる会社、大きい企業、役所とかであれば、おそらくその出来上がってるものをしっかり回すっていうのも大事な仕事だから、アンラーニングよりもラーニングが必要だよね。土俵が違うのかな。
どっかのインタビューで「できれば若いうちに小さい企業で働きなさい」と言っているのを見たことがある。
理由としては、大きな企業は仕組み化されていてそれを回すことを学びます
いつかあなたが起業家として成功したいんだなっていう前提なんだけども、真に必要なのは、大きい企業で出来上がった仕組みを回すことじゃなくて、
小さいところで全ての問題に臨機応変に対応していく力が大事だからと言い切ってた。
ベンチャーってまあほぼ総員企業家、みたいな感じなんでね。
萩原:ソラジマに入社してみんな最初にアンラーニングが大事ですと
フィードバックとして「もう少しアンラーニングしてみましょう」と言われている人を見ているとして……その人は一歩目は何を変えればいいんだろうね?
前田:そうだね。アンラーニングしろとはいうけれど、具体的になにをすればいいか。
萩原:社内にもう上手くやっている人たちがいるだろうから、
その人のプレイングを見て、何が自分と違うのか。
時間の使い方なのか優先度のつけ方なのか。何が違うのかみて、真似するのがいい。
前田:社員が言ってて勉強になったのは、
その人を脳内フィードバックを出し続ける人として脳内に飼う。
何かするたびに、その人のフィードバックが飛んでくる。
その人になりきるって感じですよ。
何が違うかを見るんじゃなくて、もはや比較すらしない。その人の通りにやる。
萩原:Slackの中はほとんど見れるし、スケジュールとも見えるから、なにをやっているかは絶対に見られるはず。
前田:あとはその人のところに教えを乞いにいって、言われたことただただ忠実にやるっていう。
チャットワークから、Slackに移行したことあるでしょ。
あの時もなんかみんなの進化力を試された気がしてて(笑)ずっと愚痴ってるやつがいたの。「チャットワークのほうが便利だった」って。でももう変わったんだから、Slackをいかしていくかを考えればいいんだよね。
結論、優秀な人=アンラーニングができる人です。
萩原:はい、ありがとうございます。