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2023.11.01

漫画編集者の道に迷ったらどうすればいい?横読みマンガが好きなあなたが「Webtoon編集者」を目指すべき理由

eye catch

そこで今回は、ソラジマで活躍中のWebtoon編集者・三木さんにインタビュー。「横読み漫画が好きなあなたがWebtoon編集者になるメリットとは」というテーマでお話を聞きました。

未経験から編集者になった人の話が聞きたい方
ソラジマが気になっている方
転職を考えている方
は、ぜひ最後までご覧ください。

三木さん
『余命3ヶ月のサレ夫』をコミックシーモア様で連載
・4名の編集者をまとめるチーム長を務める

チーム長として考える「未経験者を採用する強み」とは

ソラジマでは未経験の編集者も採用しているとのことですが、その理由はなにかあるのでしょうか?

三木:私の知りうる範囲内では、「未経験者の採用」というのは他の出版社ではやっていません。現場に未経験で入ってきた人を育てていく立場から、まずは「未経験者の強み」についてお話します。
未経験からソラジマに入社し、編集者として働いている私から見ると「横読み漫画の発想に囚われないため」という理由があるからだと思っています。

と、いうと?

三木:昔から、日本でサブカルチャーの重要なポジションを占めているのは横読み漫画でした。
それは40~50年ほどずっと続いており、最近の邦画でヒット作といえば、その多くが横読み漫画原作のアニメ作品です。それほど横読み漫画の文化が世の中に浸透してしまっているので、実際に漫画を制作する立場になったら、どうしても横読み漫画のメソッドを取り入れたくなってしまうんです。

確かに。横読みマンガのほうが身近だし、たくさん見てきているぶん、意識しなくても自然と寄ってしまう気がします。

三木:しかし残念ながら、横読み漫画のメソッドはWebtoon作品を作る上でさほど重要ではありません。

同僚の編集者と、オフィス近くの居酒屋で。3人とも未経験採用です。

Webtoonと横読み漫画の違いはずばり●●?

そんなに重要なポイントが違うものなのでしょうか?例えばどんな点がWebtoonでは重要視されますか?

三木:横読み漫画の編集者の方は、みなさん「キャラが大事」とおっしゃいます。たしかに、キャラの魅力は大事です。ですが、Webtoonではキャラよりもわかりやすいログライン(※脚本を一言で表す要約文)と速いストーリー展開が求められるんです。つまり「手軽さ」です。

マンガを読む時の「手軽さ」というのは、どういうことでしょう……?

三木:Webtoonというのはスマホで読む「スナックカルチャー」なんです。
横読み漫画は、雑誌や単行本を購入し腰を据えて読むことが多く、集中して読む文化が根付いています。一方、Webtoonは隙間時間に読まれます
「暇だな、何か暇つぶししたいな」というときに、YouTubeとかTikTokとかTwitterとか、スマホで見られるコンテンツの1つとして選ばれるのがWebtoonだということです。
気軽に手が伸ばせるスナックカルチャーだからこそ、キャラの作り込みで魅せるよりも飽きが来ないストーリー展開に工夫が凝らされており、かつ読者が感覚的に面白いと思える作品が求められる。それがWebtoonの現状だと思っています。

なるほど!それぞれの文化にあった作品作りが求められているということですね。

三木:もちろん、だからといって「横読み漫画が優れていて、Webtoonが劣っている」とは思っていませんよ。
純粋にWebtoonの性質がスナックカルチャーに位置しているので、世の中で求められている「わかりやすさ」や「速い展開」といったトレンドの影響を受けやすいのかなと思っている、ということです。
消費の速さ、展開の速さ、感覚的に受け取れる魅力……そういった要素は今日のトレンド。Webtoonはそれが顕著に洗われている例であるということです。

ソラジマ編集者の「今」

では、そんなWebtoon制作において「なぜ未経験編集者?」という点を深掘りしていきたいです!

三木:やはり「先入観の少なさ」です。
「横読み漫画はこうだよね」「キャラが大事だよね」という先入観がないからこそ、Webtoonで求められるわかりやすいログラインやスピーディな展開の重要性をスッと受け止められ、すぐに実践できるというのが未経験者の強みだと思います。

横読みマンガを編集した経験がないからこそ、縦読みマンガの編集方法をスッと受け入れられる、と。

三木:そうです。いい意味で柔軟なんです。日々チームのメンバーを見ていて、そう感じています。
私はプライベートな時間に小説を書く人生を送ってきたので、クリエイティブな活動には一日の長があるのですが、私のチームメイトはクリエイティブなことをやってきた人ばかりではありません。それでも入社して1~2ヶ月経てば成長し、面白いものを作れるようになっています。

編集に限らず、クリエイティブなことに対する経験もゼロであっても、そのあとの伸びには関係ないのですね。

三木:そうですね。むしろ先入観が少ないほうが力がメキメキ伸びます。

なんだか勇気がもらえるコメントですね……!

三木:クリエイターのみなさんは面白いものを作ってくれる方ばかり集まっています。私たちは編集者なので、クリエイターのみなさんを道案内することが役割です。
つまり私たち編集者は、そのクリエイターのみなさんが作った面白いものを「面白い」と理解できる感覚と、面白くない場合は「どこを整えれば面白くなるのか」まで突き詰める感覚さえ持っていれば、入社した後にメキメキ成長できるのかなと思っています。
クリエイティブなことをした経験がない人がクリエイティブに関わる仕事をして、ちゃんとヒットさせる。それはとても大変なことだと思います。ですが、「しんどいけど楽しいよ」っていうのが、ソラジマ編集部の魅力です。

10年間漫画に月2万課金する三木さんが語る!
オススメWebtoonのフローチャート

これ、全部三木さんの私物ですか……?

三木:「ウソやろ?」と思いましたか?マジです(笑)
私はもともと小説家を目指していたので小説をたくさん読んできたのですが、摂取するカルチャーとしては横読み漫画が1番好きでした。なので気づいたときには240万円以上も漫画に投資していて、今では楽天koboの本棚には漫画がたくさん保管されています。

240万円!横読みマンガだけでもそれだけの量を読んでらっしゃる三木さんに、ぜひおすすめのマンガを紹介していただきたいです……!

三木:もちろんです!

①王道に焦がれるキミへ
②実写ドラマ化にも期待したいキミへ
③人間味あふれる作品が読みたいキミへ
④少女漫画が好きなキミへ
⑤私と同じキミへ

①王道に焦がれる方へ

Webtoonを初めて読むから、とりあえず一番売れていてわかりやすいものを教えて!と言われたらなにをオススメしますか?

三木:「漫画といったらジャンプでしょ!」という王道志向の人には、ピッコマに掲載されている王道作品をオススメします。

特にオススメなのは『俺だけレベルアップな件』です。

めちゃくちゃ売れているという実績もありますし、なにより根暗な主人公が成り上がる物語は血湧き肉躍ります。いわゆる「俺TUEEE」で、気持ちが良いです。
「Webtoonって何?一番売れてるの読ませてよ」と考えている人は、まずはこの作品を読めば間違いないと思います。

②実写ドラマ化にも期待したい方へ

「俺TUEEE」系、バトル系が苦手な方もいますよね。そういう方にオススメのものもありますか?

三木:「異能力バトルはいらない!人間関係とか青春群像劇が読みたいんだよ!マガジンとか青年誌とか、そういうの!」という方には、LINEマンガに掲載されている『悪い男』や『外見至上主義』がオススメです。

ここら辺の作品は企画力が強くて、実写ドラマ化しても面白い作品だと思わせてくれます。

実写ドラマで見たくなる作品って、感情描写がしっかりしていてテンポのよい作品が多い印象があります……!期待大ですね。

人間味あふれる作品が読みたい方へ

三木:「1番面白いのはアフタヌーン。ハルタも良い雑誌だよね。ガロも好き」という少しニッチな方は、LINEマンガでオリジナリティあふれる作品を探してみてください。なかでも私は『瓜二つの娘』が面白いと思っています。

おお!どういう作品なんですか?

三木:この作品は毒親に育てられた女の子が毒親に葛藤する様子を通じて、毒親の毒親っぷりを楽しむ作品なのですが…人間の怖さやドロドロした内面がしっかり描かれていて面白いんです。
アフタヌーン作品みたいな人間味あふれる漫画が好きな人に強くオススメしたいと思います。

少女漫画が好きな方へ

実は私、王道の少女漫画が大好きで……Webtoonにも少女漫画ジャンルってありますか?

三木:少女漫画が好きな人は「ロマンスファンタジー」「異世界の令嬢か何かに転生して溺愛される」「嫌な女を成敗する」といったジャンルの作品を読むことをオススメします。Webtoonで最も人気なジャンルですね。

ソラジマで作っているロマンスファンタジーなら『婚約を破棄された悪役令嬢は荒野に生きる。』がcomicoで読めます。

逆行令嬢の復讐計画』『2度目の処刑はお断りです』も連載中で、また、今夏も新しい作品が続々と公開されています。ぜひ読んでみてください。

私と同じ方へ

ここまでいろいろ聞いてきましたが……三木さんはどんな作品がお好きなんですか?忖度なしで教えてください。

三木:私が面白いと思ったのは『サレタガワのブルー』です。日本の作品ですね。

大前提として、Webtoonは韓国発祥の漫画なのですが。従来のWebtoonの文法に外れているからこそ、この作品が1番面白かったなと思います。

だから僕は編集者として、サレブルっぽい作品を作ったんです。

担当編集作『余命3ヶ月のサレ夫』の原稿。

三木:私の担当作品『余命3ヶ月のサレ夫』が2022年7月15日から公開されています。この記事を読んでくれている方の中でも、すでに読んでくれた方もいるかもしれませんね。読んでくださった方は、ぜひX(Twitter)で感想ツイートなどをお寄せいただけるとうれしいです!

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マンガへの熱い愛を編集者という「作る側」の立場から発揮している三木さん。素敵なお話をありがとうございました!

自分も編集者に挑戦してみたい!三木さんといっしょに働きたい!そんな想いをもったあなた。ぜひお気軽にご連絡ください。

ご応募お待ちしています!

妻・美月のエグみが魅力の作品です。

横読み漫画が好きなキミが編集者になるメリットとは

最後に、横読み漫画が好きな人が編集者になるメリットを教えてください!

三木:横読み漫画が好きな人が編集者になるメリットは……「この仕事が天職になるかもしれない」ということです!

残念ながら、横読み漫画の業界では編集未経験者の採用をほとんど行っていません。一方でWebtoonの業界なら頻繁に未経験の人材を募集していますし、実際にソラジマでも未経験者を大募集しています。

「横読み漫画が好きだから編集者になりたいけど…」と悩んでいる方、Webtoon業界は今が編集者になるチャンスですよ!
今は横読み漫画が好きな人でも、漫画好きならWebtoonを読んで心に来る作品がきっとあるはず。Webtoonが好きになれれば、編集者になりたいという気持ち、諦めなくていいんです。

この記事を読んで興味を持っていただいた方は夢を諦めず、ぜひソラジマの採用に応募してください!

三木さん、ありがとうございました!

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