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クリエイター

2024.03.06

【comico月間2位!】Webtoonヒット作の企画作家、編乃肌さんインタビュー

弊社の編集者、三木と櫻井が2週間に1回の頻度で
Twitterのスペースで行っている『Sorajima Webtoon Radio』
6回目では、初めて企画作家さんをゲストとしてお迎えし、インタビュー形式でお送りしました!

ソラジマの代表作の1つとも言える『傷だらけ聖女から報復をこめて』の企画作家の「編乃肌」さんに、制作秘話や裏話をお聞きしています!
『傷だらけ聖女から報復をこめて』はcomicoで2022年8月3日に公開以来、ずっとトップランキングを死守している大ヒット作品です!

▼作品はこちらから

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企画作家として仕事をしてみたい! 
ヒット作のストーリーの作り方について知りたい!
という想いがある方はぜひ、参考にしてみてくださいね。

Webtoon制作と従来の制作の違いについて

Webtoon作品にするために7割も内容を削ることも

ー『傷だらけ聖女より報復をこめて』はWebtoon作品としては何作目ですか?

作品として直接関わるのは初めてですが、「peep」さんでチャットノベルで連載されていた『狂愛学園オンライン―好感度0=デッドエンド―』という作品がWebtoon化されているので、それを含めると2作品目です。

ーWebtoon作品をやる前はどういったクリエーションを?

基本的には小説や漫画原作がメインです。最初はライト文芸が多かったですが、雑食家なところもあり、なんでも試してみるタイプなので(笑)
最近はホラーなんかも書いたりしてます。

ーなるほど。Webtoonの脚本を書く際に従来の小説と違うなと思う点はありますか?

小説を書いている感覚だと文字数が圧倒的に多いので、脚本を書いている時にいらない文章をとにかく削りますね。原作にはある描写も実際には初稿より7割くらい削っています。

例えばルーアが王宮に出入りしているシーン。最初は許可証があって門番に出して、行ける範囲が決まっていて...という描写があったんですが、それを入れるとテンポが悪くなってしまうのと、クリエイターの皆様に書かせる手間もあるのでザクっと削りました(笑)

小説だとたった一文で説明できる描写も漫画だったら3コマとか使うので...担当編集者さんと相談しながら削ることもあります。


『傷だらけ聖女より報復をこめて』制作秘話

物語の原点はあの童話だった!

ー『傷だらけ聖女より報復をこめて』の企画はどうやって生まれたのでしょうか?

ガロット:『傷だらけ聖女より報復をこめて』1話より

実は、登場人物の一人である「ガロット」を起点に作ったところがありますね。
ガロットのキャラクターのモチーフは「人魚姫の王子様」なんです。
個人的に人魚姫の王子様がとても面白いキャラ造形だなと昔から思っていて、何か作品に活かせることがあればと思っていたので。

ーそうだったんですね!ガロット起点からどうやって物語が広まっていったのでしょうか?

人魚姫の物語自体が絶望するシステムがとてもよく構築された物語だなとずっと思っていて、そこのプロセスをお話に生かして作っていったら面白いかなと。
ガロットが王子様だとしたらくっつく女の子がいるよね、治したのに気づいてもらえない女の子がいるよね…といった感じです。

Webtoon作品の企画が初めてなので、Webtoonで人気のジャンルはなんだろう、作り方はなんだろうという感じで、ガロットというアイディアに対して少しづつ詰めていきました。


1人のファンとしての目線も大切に

ー その中で、Webtoonで参考にした作品はありましたか?

Webtoon作品では『捨てられた皇妃』が一番好きです。
公開されている分より先を読むために韓国語を勉強しました(笑)
見ていたらキラキラしたお着替えのシーンがいっぱいあった方が楽しいよねとか、舞踏会のシーンは入れたいよねとか、一ファンとして参考にさせてもらいました。
ファン目線も大切にしていて、読者様が一話で何を考えるのかはすごく考えますね。

ーそこからインスピレーションを受けた部分もあったのでしょうか?

そうですね。とにかくルーアを着替えさせたかったので、ドレス破いたり水かけたりとひどいことをさせています(笑)


やりたいことにいろいろと挑んだ作品

ーでは結構いろいろやってみようというモチベーションがあったのでしょうか?

そうですね。『傷だらけ聖女より報復をこめて』は色々と挑んでいるところが多い作品です。
特にアリアン。アリアンほど邪悪なキャラは初めて書いたかも。アリアンは邪悪であればあるほど輝くと思っているので(笑)
彼女には悲しい過去とかは一切なくて、むしろやばい過去しかないのでこれから出していきます。

ルーア:『傷だらけ聖女より報復をこめて』1話より

ー逆に、スウェンというキャラクターはどうやってできたのでしょうか?

スウェンは健気な子で、ルーアを一番尊重してくれるポジションがいいかなと思っていて。最近の公開話(レンタル話13話)がスウェンのキャラクターが固まった回だと思います。

「そばにいてくれ」よりも「そばに置いてほしい」が似合うヒーローです。
これまで色々なヒーローを書いてきましたが、ツンデレ系が多い中でスウェンは確かに珍しいタイプですね。
少し胡散臭いかなと思っていたら、想像以上に読者の皆様が胡散臭がっていました(笑)
スウェンは出だしが胡散臭い分、どんどん可愛くなっていくところを楽しんでもらえたらいいなと。

スウェン:『傷だらけ聖女より報復をこめて』1話より

構想と実際のストーリーについて

ー構想段階の内容から実際に進んでいる物語の内容は変わっていますか?

大筋は全く変わっていないです。
ただ、編集さんと途中からもっと物語を続けていきたいということになり、当初の予定になかったエピソードも少しずつ挟んでいる状況です。
それでも大筋は変わっていないので、着地点も今のところ変わらない予定ですね。

ーでは、当初なかったエピソードは担当編集者と話し合って生まれたのでしょうか?

そうですね。編集者さんとかなり話し合ってストーリーの合間に挟んでいく感じです。
ただ追加したエピソードも全部、本筋に絡む要素にしようと意識して作っています。

ー展開やキャラ配置は構図を先に考えたりしましたか?

ある程度の構図は先に考えましたね。
その中でもガロットが一番異質な存在で、配置的にはある意味この作品のスパイスになっているかなと思います。彼は悪人ではなく、なんだったらものすごい善人なんですが、読者の皆様がイラつくのもすごくわかります(笑)

ガロットは「自分の選択を間違いだったと思いたくない」という無意識のブレーキが働いているキャラクターです。
今後ガロットに視点を当てた話も出てくるので、そういったところで感じてもらえればと思います。
彼のラストについては毎回会議で盛り上がる部分ではあるので、楽しみにしていてください。

ー『傷だらけ聖女より報復をこめて』が公開されてから何か直接的な反響は感じていますか?

感じています。何よりもまずフォロワーが目に見えて増えました。
海外の人とかも結構増えましたね。少なくとも100人は伸びました。
これからも反響があれば嬉しいですね。

執筆スタイルについて

ー普段の執筆スタイルはどんな感じなのでしょうか?

基本的にはゴールは最初から決まっていてそこから逆算して作っているのですが、いろいろな執筆スタイルを試してみたいという思いがあって、たまに遊んでみたりもしますね。

『傷だらけ聖女より報復をこめて』でいうと、シジーが一番初期設定から変わったキャラクターかもしれません。最初はメガネ執事だったんです。彼が一番時間がかかったので、思い入れがあるキャラクターです。今度、シジーとスウェンの出会いみたいなストーリーをやります。最初の予定ではなかったストーリーなのですが、キャラを掘り下げていくうちにできた挑戦回です!

ー1日の創作のルーティンは?

すごくムラのあるタイプで書けない日は全く書けないです。
最初はドラマ見ながら描いたり、映画見ながら描いたりするタイプです。
横でテレビが流れていた方が逆に創作に集中できることもあったり...朝夜は関係なく書いています。

ー書く前に何か決まってしていることはありますか?
黒豆茶とキシリトールガムがないと書けないです(笑)特にキシリトールガムを切らすと禁断症状が出ます(笑)
執筆中に切らしてスーパーに買いに行こうか迷ったこともあります。

ー何作も並行して連載されていてお話がまざって混乱することはありませんか?
何作品も並行している時には、極限に混乱すると他作品のキャラの名前を間違えて書いてしまうことはたまにありますね。
たぶん直前までそのキャラクターのことを考えていたんだと思います。

企画作家と編集者の理想の関係

ー企画作家と編集者はどんな関係が理想だと思いますか?

なんでも相談できる感じが一番ありがたいかも。結構編集者さんと仲良しなんです。
基本的に私が読んでいる作品を担当さんも読んでいることが多くて、インスピレーションの共有ができるのもありがたいですね。
何より一番最初に作品を読んでくれるのは編集者さんなので、まず褒めてくれるのも嬉しいです。

最初は返ってくる原稿が素晴らしいほど自信がなくなってしまったり、作品の人気が出たら出たで、次の話で読者さんが失望しないかなというプレッシャーがあったりするのですが、そのたびに担当編集者さんが「大丈夫なので!絶対大丈夫なので!」といってくれてありがたかったです。
私が自尊心を保ててたのは担当編集者さんのおかげです。

ー今後描いてみたい作品とかはありますか?

異世界恋愛ジャンルをまた挑戦してみたいなと思いつつも、思いっきりデスゲームっていうのもいいなと思ったりします。でもラブコメも好きなので...なんでも大丈夫です!お話さえいただければ!

ー弊社はまだホラー系の作品は出せていないので、その一作目が編乃肌さんと担当編集さんのコンビっていうのは考えるとワクワクしますね!
本日はありがとうございました!

ソラジマではWebtoonの企画作家を募集しています!

・とにかく面白いものを作りたい!大きなことをやり遂げたい!という熱意がある方
・自分のつくった物語を多くの人に読んでもらいたい方
・強い創作熱意を持って舞台や脚本の仕事をしており、活躍の場を広げたい方

商業経験のある方から、初めての商業経験という方まで幅広くいます!

ソラジマでは「創作満足度No.1プロジェクト(https://note.sorajima.jp/n/na7fab87109a8)」を立ち上げ、企画作家、脚本家、クリエイターの方々が創作に力を入れられる環境を整えていますので、少しでも興味を持った方はぜひ下記よりご応募ください!

▼企画作家応募ページ

https://herp.careers/v1/sorajima/4T8VpPAl6Kvi

「世界に通用する作品を一緒につくりたい」という熱意のあるクリエイターのみなさまからのご連絡をお待ちしています!

Webtoon編集者の募集詳細は採用HP

今回ご登壇頂いた企画作家さん:
編乃肌さん
Twitter:
https://twitter.com/0726hada

編乃肌さん担当作品『傷だらけ聖女より報復をこめて』はこちら▼

https://www.comico.jp/comic/8347

インタビュアー:
三木(ソラジマ編集者)
担当作品:『余命3ヶ月のサレ夫』
Twitter:
https://twitter.com/morimelon2
櫻井(ソラジマ編集者)
担当作品:『コピースキルの最強魔導師』
Twitter:
https://twitter.com/canu_webtoon

執筆:morichi

三木担当作品『余命3ヶ月のサレ夫』はこちら▼

https://www.cmoa.jp/title/248387/

櫻井担当作品『コピースキルの最強魔導師』はこちら▼

https://piccoma.com/web/product/110363


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